紺野愼一 医師 (こんのしんいち)

総合南東北病院

宮城県岩沼市里の杜1-2-5

  • 整形外科
  • 院長
  • 一般財団法人脳神経疾患研究所 常任顧問

外科 整形外科

専門

脊椎・脊髄外科、慢性腰痛

紺野愼一

紺野医師は慢性腰痛を専門としている。その中でも特に診療する機会が多いのが「どこに行っても腰痛が治らない」と訴える患者だ。
腰痛にはさまざまな原因があるが、レントゲン上で腰椎に病変が見られた時、必ずしもそれが腰痛の原因だとは限らない。「例えば、椎骨が前方にすべる『変性すべり症』だと診断されたすべての方に腰痛が出るわけではありません。腰痛を訴える患者さんが受診されたら、なぜその方の腰が痛いのか、詳しく調べて診断していきます」(紺野医師)
高齢化に伴って急増している脊柱管狭窄症も同様に、脊柱管が狭いからといって腰痛が出ることはそれほど多くない。腰痛より、むしろ脚の痛み・しびれが現れることのほうが多いという。「脊柱管狭窄症が疑われる場合は、レントゲンでがんの転移や圧迫骨折、化膿性脊椎炎など他の疾患の可能性を除外した上で、症状を聞いて診察します。そうすればどの型の脊柱管狭窄症かほぼ分かります」と紺野医師。脊柱管狭窄症の症状は末梢動脈疾患や糖尿病性神経障害とよく似ているため、その鑑別も重要だという。
脊柱管狭窄症は薬物療法やブロック療法などの保存療法で改善することもあるが、膀胱・直腸障害などの重い症状を伴う馬尾型では手術となるケースもある。手術では椎弓骨切り術のような「除圧術」に加え、椎骨の不安定性があれば骨を移植して固定する「固定術」を併用することもあるという。
「しかし、固定したために別の椎骨がすべってしまうなど、固定術には弊害もあるため、私たちは新たな方法を開発しています。固定するのではなく、余計な動きを抑えるという発想の『制動術』です。この方法では人工靭帯により異常な動きを抑えるため、骨を移植する必要がありません。現在は試作品ができ、実用化に向けて進めている段階です」(紺野医師)
脊柱管狭窄症で神経障害が進むと、手術を受けても、足裏のしびれなどは回復しない恐れがある。「特に馬尾型特有の症状がある方は、早めに医療機関を受診してほしい」と紺野医師は勧める。

診療を受けるには

紺野医師の外来は病院に要確認

医師プロフィール

1984年 自治医科大学卒業
1984年 福島県立会津総合病院
1986年 福島県立田島病院
1993年 スウェーデン・ヨーテボリ大学整形外科
1994年 福島県立医科大学医学部整形外科学講座 助手
1998年 福島県立医科大学医学部整形外科学講座 講師
2007年 福島県立医科大学医学部整形外科学講座 准教授
2008年 福島県立医科大学医学部整形外科学講座 教授
2014年 福島県立医科大学附属病院長兼副学長兼理事
2017年 福島県立医科大学副学長兼理事
2020年 福島県立医科大学副理事
2023年 福島県立医科大学医学部整形外科 名誉教授
    一般財団法人脳神経疾患研究所 常任顧問
2024年7月 総合南東北病院 院長

所属学会

【認定資格】
日本整形外科学会(専門医、認定脊椎脊髄病医)、日本脊椎脊髄病学会(指導医)

【所属学会・役職】
日本整形外科学会 理事、日本運動器疼痛学会 理事、日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会 理事、日本脊髄障害医学会 理事、日本脊椎脊髄病学会 評議員、日本内視鏡低侵襲脊椎外科学会 世話人、日本腰痛学会 理事長、東日本整形外科学会 監事、東北整形災害外科学会 幹事
アジア太平洋最小侵襲脊椎手術外科学会(PASMISS)日本代表
国際腰椎学会(ISSLS)active member

主な著書

『シニアの脊柱管狭窄症―痛みと不安を解消する! (別冊NHKきょうの健康) 』(2017年NHK出版)
『あなたの腰痛が治りにくい本当の理由―科学的根拠に基づく最前線の治療と予防』(2012年すばる舎)

医師発信欄

総合南東北病院:https://www.minamitohoku.or.jp/
(更新日:2024年10月11日)

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