浦山茂樹 医師 (うらやましげき)

水野記念病院

東京都足立区西新井6-32-10

  • 整形外科
  • 部長

整形外科 外科

専門

腰椎椎間板ヘルニア、骨粗鬆症性椎体骨折

浦山茂樹

腰椎椎間板ヘルニアに対する最新の低侵襲手術である経皮的内視鏡下椎間板摘出術 (PED) の経験は500例以上あり。術後1~4日で退院可能。骨粗鬆症性椎体骨折に関する発表・論文は100以上。特に高度な椎体骨折に対しては、将来の椎体変形予防のために骨折部を手術前に整復し、その部分に局所麻酔下に7mmの傷で人工骨を数十分で充填する方法を考案、2010年の第17回日本脊椎?脊髄神経手術手技学会でbest paper賞を受賞する。なお、治療では患者との信頼関係を重視。1日に何度もベッドサイドへ足を運んで関係を深め、「手術後の最初の1歩は自分とともに」という姿勢を貫く。

診療内容

腰下肢痛の整形外科的原因のほとんどは腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、骨粗鬆症性椎体骨折であり、患者はそれぞれに特徴的な腰下肢痛を訴えてくるもの。
診察では腰下肢痛を自覚した頃からの話を聞き、この症状が診察の所見やレントゲンなどの検査所見と一致するかどうかを診る。一見、通常の診察と変わりないが、浦山医師による診察の特徴のひとつは「患者とともに考える」ことにある。「腰下肢痛は社会的要因、つまり仕事内容や家族環境によって悪化していないか、これを改善することにより症状が軽くなるのではないか、などについて患者さんとともに考えるようにしています」(浦山医師)
患者と医師とが協力して病気に向かえば、信頼関係が生まれて診療や治療がスムーズになる。治ったときのお互いの喜びも大きい。患者に納得してもらい、かつきちんとした関係を築くため、浦山医師は時間が許す限り、1日に2回でも3回でも患者のベッドサイドに足を運ぶという。
「良好な結果を得るためには、患者さんに我慢してもらうことも多く出てくるもの。そのために、病気の説明はもちろんベッドでの寝方や起き上がり方など、いつでも何でもお話できるようにしています。ベッドから起き上がり歩行を開始するときにも、必ず起き上がり方と歩行を指導。最初の一歩は、私と一緒に行うようにしています」
浦山医師が得意としているのは骨粗鬆症性椎体骨折。これまでに100以上もの発表や論文を書いてきた。
骨粗鬆症性椎体骨折に対する保存治療の場合、2週間ほどベッド上で安静を保った後、硬いコルセット(硬性コルセット)を装着して歩行を開始する治療法を。こうすることで椎体の変形(椎体圧潰)進行を防止し、以前の日常生活に復帰できるケースがほとんどという。
(一般の人向けのページ 骨粗鬆症による脊椎圧迫骨折)
「保存治療で大切なのは、骨折の状態ごとの患者さんへの十分な生活指導。それにより骨折による痛み(体動時痛)は増強することなく、ほとんどのケースで痛みが自然に消失していくという結果を得ています」(浦山医師)
一方、高度な椎体骨折(骨粗鬆症性脊椎破裂骨折)については、自身が1997年に考案した7mmほどの皮膚切開で行う局所麻酔下人工骨(ハイドロキシアパタイト)充填術(椎体形成術)を行う。これは骨折部を手術前に整復し、その部分に局所麻酔で人工骨であるハイドロキシアパタイトを30~40分で充填するというもの。将来的な椎体の変形を予防でき、合併症もなく、早期の腰痛消失や整復位の保持など良好な結果が得られる。50~60歳代の患者ではそのほとんどが仕事に復帰し、受傷前と同様に元気で働いているという。
脊椎破裂
「最近は、圧倒的に腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の患者さんを治療することが多くなりました」と浦山医師。
ヘルニアによる急性期の下肢痛では、安静時にも堪え難い痛みが生じるもの。治療では安静や、コルセットおよび強力な消炎鎮痛剤を基本とし、神経ブロックを併用する。
2011年10月以来、非常勤講師として出沢明前教授が主催した帝京大学溝口病院で、椎間板ヘルニアに対する最新の低侵襲手術である経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア摘出手術 (PED)を週2日で100例を経験。
(http://www.youtube.com/watch?v=LEoWAyzGgoc)

内視鏡スコープで椎間板ヘルニアを摘出
水野記念病院では2012年4月からこのPED法を導入し、450例を手術。「内視鏡スコープをヘルニア病変部に直接挿入してヘルニアを摘出しますので、8mmほどの傷で済みます。手術後も痛みが少ないので、術後1~4日で退院可能になり、患者さんに喜んでもらっています。とくに通常の手術では手技が面倒な外側型ヘルニアによい適応があり,PED開始後40例の日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準(JOA score)では,29点満点中術前15.3点から最終28.5点になり改善率は96%で , 神経麻痺は全例で改善し,合併症もありませんでした(臨床整形外科2016年No.5,473-479ページ)」と浦山医師。
部分麻酔で話しながら手術を行うので、ヘルニアが取り除かれた瞬間に、患者さんが楽になった、痛みが取れた、足が軽くなったとよく言われ、手術直後に喜びを分かち合える。手術操作で痛いときに麻酔薬を追加することもあるが、極めてまれである。ただし、L5-S1レベルの多くのヘルニアでは、今まで行われてきた手術と同様に全身麻酔でPED手術を行うことが多い。しかし、創が小さく、筋肉はほとんどはく離しないので、術後の痛みが少なく、早期歩行・早期退院が可能です。

経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア摘出手術は術後の痛みが少ないため、手術の適応が広がってきているが、手術は決して容易ではなく、高い技量が必要とされる。また、手術適応・手術方法・手術器械の改良を含め、今後さらなる発展が求められており、出沢前教授を中心に実習を含めたPEDセミナーなどの活動が行われている。
(http://jped.kenkyuukai.jp/about/index.asp)
(http://www.youtube.com/watch?v=srXP-oLB8Kw)
骨粗鬆症性椎体新鮮骨折の治療法がほぼ確立され、「今後は経皮的内視鏡下椎間板ヘルニア摘出手術 (PED) に取り組んで行きたい」というのが、浦山医師の現在の意志であるそうだ。

医師プロフィール

1973年3月 金沢大学工学部機械工学科卒業
1980年3月 浜松医科大学医学部医学科卒業
1980年4月 富山医科薬科大学整形外科入局
1986年3月 富山医科薬科大学医学部大学院卒業
1986年4月 飯山赤十字病院整形外科部長
1991年2月 社会保険高岡病院整形外科部長 
2006年4月 高岡市民病院整形外科主任部長 
2011年10月 水野記念病院整形外科部長、帝京大学溝口病院非常勤講師

「腰痛(腰椎椎間板ヘルニア)」を専門とする医師