ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン 家庭の医学

 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは子宮頸がんなどを予防するワクチンです。
 子宮頸がんの50~70%の原因とされるヒトパピローマウイルス感染に対して予防効果のあるワクチンです。2価、4価、9価の3種類のワクチンがあり、12~16歳女子が対象です。2価は子宮頸がんのおもな原因となるHPV16型と18型に対するワクチンです。4価ワクチンは16/18型と、良性の尖圭(せんけい)コンジローマの原因となる6/11型の4つの型に対するワクチンです。9価ワクチンは、さらに5つの型が予防対象になります。2価、4価ワクチンは3回の接種が必要で、2価ワクチンの2回目は1回目の接種から1カ月後、4価ワクチンでは2カ月後におこないます。3回目はどちらも1回目の接種から6カ月後です。9価ワクチンでは、1回目を15歳になるまでに受ければ6カ月後の2回目で終了、1回目の接種が15歳になってからでは2カ月後に2回目、6カ月後に3回目の接種となります(「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」を参照)。

[副作用]
 注射部位の痛みやはれは10%以上にみとめられます。因果関係はあきらかではありませんが、ごくまれに複合性局所疼痛症候群などの重い症状の報告もあります。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授/茨城福祉医療センター 小児科 部長 市橋 光
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