扁桃肥大、慢性扁桃炎〔へんとうひだい、まんせいへんとうえん〕 家庭の医学

 扁桃は、乳幼児期にリンパ節がまだ発達していないときに、リンパ節の役割をするために細菌とたたかう大切な組織です。学童になるころには、からだのリンパ節が大人と同じように発達をとげます。したがって、扁桃は幼児期にかぜをひくと、まずはれる組織です。慢性扁桃炎の場合に埋没型扁桃といって、表面がはれないことも多く、大きさに関係なく症状をくり返します。
 一般に左右同じ大きさである扁桃の片方だけが極端に大きい場合、扁桃の腫瘍やリンパ腫などの場合もあります。

[治療]
 子どもで扁桃が大きいだけであれば(扁桃肥大)、いびきの原因になる程度であまり問題になりません。成長に従い相対的に小さくなります。ただし、睡眠時無呼吸の原因となった場合、手術が必要です。
 乳幼児に限らず、しっかり医師から治療を受けて、自分でも注意し、うがいもしているのに年に4回以上の急性扁桃炎をくり返す場合(慢性扁桃炎、習慣性扁桃炎)や、いつも微熱が抜けないとき、病巣感染といって腎炎、関節炎、皮膚炎などをくり返す場合には、それぞれの専門医と相談したうえで扁桃腺をとる手術の適応になります。

(執筆・監修:独立行政法人 国立病院機構東京医療センター 臨床研究センター 人工臓器・機器開発研究部長 角田 晃一
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