機能性発声障害〔きのうせいはっせいしょうがい〕

 声帯などの発声器官に器質的に障害がないにもかかわらず起こる声の障害を機能性発声障害といいます。
 機能性発声障害の診断は耳鼻咽喉科専門医でもむずかしい場合があります。音声専門医や専門の聴覚言語療法士のいる医療機関(音声外来、喉頭〈こうとう〉外来など)を受診し、原因を理解したうえで、音声訓練をおこなえば治りやすい病気です。

■心因性失声
 機能性発声障害の代表的なものが心因性失声症です。せきばらいや飲み込みの反射などでは、声帯はしっかり閉じて振動もするのに、いざ声を出すときは声帯を振動させないように声門(左右の声帯のすきま)が開き、ささやき声のようになります。
 激しい情動のストレスを受けて起こる場合が多く、十代の若年者にも多くみられます。かりに訓練で声が出るようになっても、ふたたびストレスの環境に戻れば失声やほかの症状が出ることもあり(視・聴覚障害など)、ヒステリー性失声ともいわれます。ストレスなど原因を本人が克服すれば自然に治ることが多く、本人が声を出す意思があれば音声訓練で改善します。

■変声障害(声変わり障害)
 男性にみられるものに変声障害(声変わり障害)があります。多感な変声期に多種の情緒的な動揺や心理的葛藤で、無意識のうちに「大人になることとしての声変わり」を拒絶し、結果として成長したのどで「子どもの声を出すくせ」がついてしまう、と考えられています。
 典型的な症状はウラ声発声です。本人が「大人の声になりたい」との希望があり、しっかりとした病態の説明をおこなえば治りやすい病態です。
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