失声症〔しっせいしょう〕

 声帯に振動が起こらず、声が出ないことをいいます。激しくむせたあとや、かぜによってせきのときに急に声が出なくなることがあります。原因がせきにある場合、かぜや気管の炎症がおさまれば自然にまた声は出るようになります。
 激しいストレスのあと、ささやき声のような声しか出なくなることがあります。多くは自然に治りますが、続く場合は音声専門医に診てもらいましょう。ストレスが原因の場合は心因性失声など、精神的な面から発症することもあり、心療内科や精神科を紹介することもあります。

■新型コロナウイルス感染症による影響
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により、口腔、咽頭、喉頭の激しい炎症が起きる場合が多く報告されました。その後に新型コロナウイルス感染症が治っても、声が出にくいなどの症状が残る人もいます。原因の多くは声を使用しなかったことによる声帯の萎縮や、痛みへの恐怖による心因性の発声障害です。このため社会生活に復帰して会話によるコミュニケーションが始まれば徐々に治ります。ただ、続くようなら一度耳鼻咽喉科を受診してみてください。異常がなければどんどん声を出すようにしましょう(音声訓練は長寿社会の耳鼻咽喉科の項の図参照)。

(執筆・監修:独立行政法人 国立病院機構 東京医療センター 臨床研究センター人工臓器・機器開発研究部 部長 角田 晃一
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