慢性咽喉頭炎〔まんせいいんこうとうえん〕 家庭の医学

 いつものどが乾燥した状態で痛い場合や、のどの違和感、異物感、痛みなどがあります。口の中やのどが乾燥、発赤していることが多くみられます。慢性喉頭炎の場合、声がれやせきから始まることがあります。

[原因]
 急性咽頭炎や喉頭炎が長びいた場合や、副鼻腔(ふくびくう)炎、鼻炎などで鼻の大切な機能である空気を清浄化してくれる加湿・加温・除塵機能が落ちているときや口呼吸、喫煙や空気汚染環境での生活なども考えられます。自分では考えられないことが原因にあったりします。

[治療]
 まず、習慣を含めた生活環境を改善しましょう。原因の除去が大切です。室内のほこりを除くなどの環境整備や加湿を考え、可能なことから改善しましょう。そのうえで耳鼻咽喉科を受診しましょう。
 咽喉頭の異常感で原因のはっきりしないものを咽喉頭異常感症といいます。このうちげっぷや胸やけを伴う場合、胃の中の酸が逆流(胃・食道逆流)して起こる逆流性食道炎が近年注目されています。この場合は、胃に対する適切な投薬(制酸薬やプロトンポンプ阻害薬)で劇的に改善します。また、日ごろの生活習慣を見直して、自分で治療できる場合もあり、治ったあとの予防にもなります。

 ただし、原因が食道裂孔ヘルニアなどはっきりしたものがある場合、手術が必要になることがあります。

(執筆・監修:独立行政法人 国立病院機構東京医療センター 臨床研究センター 人工臓器・機器開発研究部長 角田 晃一
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