リフトバレー熱〔りふとばれーねつ〕

 ブニヤウイルス科フレボウイルス属に属するリフトバレー熱ウイルスによる動物由来感染症です。このウイルスは、自然界ではおもにヤブカ属の蚊とウシやヒツジの間で感染環が維持されています。人への感染は、おもに蚊あるいはほかの吸血性昆虫に刺されたり、かまれたりすることによりますが、動物の血液やそのほかの体液による接触感染もありうるとされています。
 おもな症状は発熱、筋肉痛、関節痛などのインフルエンザのような症状で、少数の例では出血熱、脳炎などが起こります。
 1931年にケニアのリフトバレーではじめて発見され、それ以来サハラ以南アフリカや北アフリカでの発生が報告されていますが、国内へ侵入するリスクは少ないと考えられます。

(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)
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