日本紅斑熱〔にほんこうはんねつ〕 家庭の医学

 1984年に馬原医院の馬原文彦院長(徳島県阿南市)により新たに発見された、新型の紅斑熱リケッチアによる感染症です。
 マダニ(キチマダニ、フタトゲチマダニなど)に刺されることで感染します。病原微生物はリケッチアで刺されてから2~8日ころから頭痛、全身倦怠(けんたい)感、関節痛、発熱などを伴って発病します。発熱とほぼ同時に紅色の斑丘疹(はんきゅうしん)が四肢末端から求心性に多発します。リンパ節腫脹はあまりみられません。CRP陽性、白血球減少、肝機能異常などはつつがむし病と同様です。
 治療は、ほかのリケッチア種と同様にテトラサイクリン系抗菌薬が有効です。徳島県での発生は主として春と秋にみられます。つつがむし病のリケッチアはリケッチアツツガムシですが、この病原リケッチアはリケッチアヤポニカと命名されました。

(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)
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