ウエストナイル熱(脳炎)〔うえすとないるねつ(のうえん)〕 家庭の医学

 ウエストナイル熱(脳炎)は蚊を媒介として人間に感染し、5~15日の潜伏期を経て急激な発熱や頭痛、筋力低下、発疹(ほっしん)といった症状をひき起こします。感染しても特に発症せずに治る場合が多いのですが、高齢者や免疫が弱い人は重症になる可能性が高く、脳炎に至るおそれがあります。
 近年、アメリカやカナダの一部で流行が拡大しており、死亡者も出ています。ウエストナイル熱(脳炎)には有効なワクチンがまだ開発されておらず、予防接種を受けることができません。
 蚊に刺されることにより感染しますので、流行地へ渡航する場合は虫除けスプレーを使用したり、長袖・長ズボンを着用したりするなど、とにかく蚊に刺されないようにすることが必要です。

(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)
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