東京慈恵会医科大の研究グループは24日までに、水虫と、皮膚がんの一種である足の裏の「メラノーマ」の発生に相関が認められたと発表した。これまで足裏のがん発生には物理的な刺激が関わっていると想定されていたが、感染症である水虫との関連が初めて示された。水虫の治療や予防により、これまで困難とされてきたメラノーマ予防に一定の効果が期待できるという。
研究成果は6日付の国際学術雑誌「ジャーナル・オブ・ダーマトロジー」に掲載された。
日本人はメラノーマが足裏に発生することが最も多く、進行すると致死率も高い。胃がんはヘリコバクター・ピロリ菌などの慢性感染症から引き起こされるため、グループはメラノーマも白癬(はくせん)菌の感染症である水虫から発生する可能性があると考え、両者の関係を調査した。
研究では、日本人のメラノーマ患者30人とそれ以外の皮膚病患者84人を調査。足裏を顕微鏡で調べた結果、メラノーマのグループは60%、非メラノーマは29.8%が水虫に罹患(りかん)していた。解析の結果、水虫がメラノーマの発生に関与している可能性が示されたという。
研究グループの延山嘉眞・慈恵医大教授は「今後は発がんとの関連を分子レベルで解明したい」としている。 (C)時事通信社
水虫が足裏のがんに関与=治療で発生予防に効果か―慈恵医大
(2024/05/24 18:06)