坂井文彦 医師 (さかいふみひこ)

埼玉精神神経センター

埼玉県さいたま市中央区本町東6-11-1

  • 神経内科 埼玉国際頭痛センター
  • センター長

神経内科 内科

専門

神経内科、頭痛、脳卒中、脳循環代謝

坂井文彦

日本頭痛学会の元理事長など重職を歴任。長年に渡り、日本の慢性頭痛医療を進化させてきた。なかでも『頭痛ダイアリー』の活用・研究では高い成果を上げており、全国の専門医が治療に取り入れている。また、看護師、心理士、作業療法士、薬剤師、理学療法士、鍼灸士を加えたチーム医療による先駆的な治療も実践。「頭痛そのものが脳の病気」「薬を上手に使うことでコントロールできる」「頭痛ダイアリーは治療の必需品」「予防には頭痛体操を」等を周知させるべく啓蒙活動にも尽力している。

診療内容

片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛等からなる慢性頭痛に悩む人は少なくない。たとえば慢性頭痛のチャンピオンとされる片頭痛の有病率は日本人の8.4%.約840万人と推定されている。WHO報告では、健康寿命を損なう疾患リストの12 位(女性)に片頭痛がランクされている。日本では「たかが頭痛」と軽んじられがちだが、世界的には立派な病気である。
「とくに片頭痛は20~40歳代の働き盛りの有病率が高く、その年代の健康寿命が短縮することは社会的にも大きな損失です」と坂井医師は言う。
ちなみに、短縮する健康寿命は平均1.6年とのことだが…「80代の高齢者なら別かもしれませんが、働き盛りの人たちがみんなで1.6年寝込んだら、大変なことになります」確かに。それはゆゆしき問題だ。
「でも、最近は有効な治療薬が開発され、診療技術が進展してきました。頭痛が起きるメカニズムが解明され、我慢せずに病院を受診して、治療すべき病気だということが分かってきたのです。ところが肝心の、つらさに耐えている患者さんたちが、そのことを知らない。せっかく医療があっても、一番必要な人に情報が届いていないのが、一番の問題です」
しかしながら坂井医師のもとには、幸いにも「頭痛は治療できる」と知った患者が、大勢訪れている。診療に不可欠なのは『頭痛ダイアリー』だ。患者自身に、頭痛の起こり方や経過、薬などを記録してもらう。
「慢性頭痛は、患者参加型医療でなければ治せません。患者さんが自分の頭痛をよく観察し、自分がどのタイプの頭痛なのかを自己診断し、どのタイミングで、どう薬を飲むかをしっかりと理解していなくてはならないのです。それを可能にするのが、頭痛ダイアリーです。さらに、医師を受診した際、頭痛について医師と患者さんのコミュニケーションに役立ちますし、頭痛対策を次のステップに進めるのにも有用です」
診断したら、つぎは頭痛のタイプ別に、発作のメカニズムに対する治療薬処方と服薬指導、予防薬の処方、予防法の指導、薬以外で役立つ方法を考える。
「トリプタン系を中心として、治療薬を上手に使えば、いつ頭痛がきても大丈夫になり、患者さんの不安がなくなります。そのほか併用薬で胃や腸の働きを調整したり、予防薬で頻度・程度を軽減したり、あとは頭痛体操やカウンセリングによって、だいたい1年~2年のうちに症状はほぼなくなります。治りにくい方の場合には、ヨガや鍼灸などを取り入れることもあります」
坂井医師が陣頭指揮を執る埼玉国際頭痛センターには、あらゆる慢性頭痛患者に対応すべく、看護師、心理士、作業療法士、薬剤師、理学療法士、鍼灸士からなる医療チームがある。「患者さんは頭痛のために、ずいぶん人生を損しています。どうか、悩みを放っておかないでくださいと言いたいですね。一緒に人生を変える工夫を考えてみましょうと」

医師プロフィール

1969年 慶應義塾大学医学部卒業 内科学教室に入局し、神経内科および脳循環・代謝の研究を始める。
1976年 米国ベーラー大学神経内科留学。Harold G. Wolff賞受賞(片頭痛と脳循環の研究)
1997年11月 北里大学医学部神経内科学教授
2008年3月 北里研究所病院頭痛センター長
2009年4月 国際頭痛センター長(新百合ヶ丘)
2010年11月 埼玉医科大学客員教授
2010年11月 埼玉国際頭痛センター長
※2008年9月:第14回国際頭痛学会において、Honorary Life Member 生涯名誉会員 受賞

「慢性頭痛」を専門とする医師