濱野孝 医師 (はまのたかし)

ハマノ眼科阪急診療所

大阪府大阪市北区芝田1-1-3 阪急三番街2F

  • ドライアイ外来
  • 院長

眼科

専門

ドライアイ、コンタクトレンズ

濱野孝

1984年に大阪大学眼科外来に日本初のドライアイ専門外来を設立。涙液検査で使用するフェノールレッド綿糸も、ハマノ眼科で開発された。同眼科には4つの診療所があり、濱野孝医師は阪急診療所院長。研究テーマは、ドライアイの新しい治療法や治療薬の開発、遠近両用コンタクトレンズやドライアイ用コンタクトレンズ、コンタクトレンズ用点眼薬の開発。現在、製薬会社と共同でドライアイの新しい治療薬・治療法の開発を行う。

診療内容

最初に、涙の量や質(涙液)がどのような状態にあるかを検査してから、ドライアイの診断と治療を行う。涙液検査では、フェノールレッド綿糸かシルマー試験紙を使用。
フェノールレッド綿糸とは、1982年にハマノ眼科が考案したもの。フェノールレッド(PH指示薬)で染められた綿糸の一端を折り曲げたものを、下まぶたの目尻側の結膜嚢内に挿入する。15秒後に糸を外し、濡れた長さを測ることで、目のなかに自然な状態でどのくらい涙が溜まっているかを調べられる。目に刺激が少なく、15秒という短時間での測定が可能。1992年には商品化され、現在では多くの眼科で使われている(正常値は20mm以上、10mm以下が異常値)。シルマー試験紙検査では、フェノールレッド綿糸の代わりに幅5mmのろ紙を用いる。通常5分間測定するが、刺激があるため患者の苦痛が大きく、結膜にも傷が付く。しかし、涙液の分泌機能測定には重要な検査である(正常値は10mm以上、5mm以下が異常値)。
実際の治療については、主に適切な点眼薬の処方を行う。これにより症状のコントロールが可能。ドライアイの治療に使われる点眼薬としては、1.目に水分を補給するもの。2.目の湿り気を保つもの。3.目の潤滑を良くするもの。4.ドライアイによってできた傷を治すもの。5.炎症を抑えるもの。などがあり、ドライアイの種類や程度によって処方される点眼薬が変わる。
シェーグレン症候群などに対しては、防腐剤の入っていない点眼薬にも健康保険の適用が認められている。また、症状によっては水溶性の点眼薬だけではなく、就寝前の眼軟膏が有効なこともある。なお、2010年に参天製薬から発売された点眼薬「ジクアス3%点眼液」は、目の結膜細胞から水分を目の表面に移動させるはたらきと、涙の安定性を増す粘液(ムチン)の分泌を刺激するはたらきが。さらに、2012年に大塚製薬から発売された「ムコスタ点眼液UD2%」は、結膜細胞にある粘液(ムチン)を産生するゴブレット細胞を増やして涙の質を正常化させ、目の傷を修復することにより、ドライアイの不快な症状(目がゴロゴロする、痛みなど)を早期に改善することができる。
点眼薬でも症状がコントロールできない場合、涙の流れていく涙道を閉鎖する「涙道閉鎖」という治療方法をとる。健康保険が適応される治療法は2つあり、ひとつは従来から行われている「涙点プラグ」。涙点の部分にシリコン製プラグを挿入することで、眼内貯留涙液量の増加を目的とするもので、処置は短時間。もうひとつの方法は、アテロコラーゲンを使うもの。涙点から涙が鼻の方へ流れていく涙小管に、液状のアテロコラーゲンという特殊なコラーゲンを注入する(2008年4月より健康保険適用)。アテロコラーゲンは低温では液状であるが、体温付近では繊維化が起こってゲル形成を行うため、涙小管を閉鎖できる。この方法であれば涙点プラグのように肉芽形成や涙小管炎などの合併症の心配がなく、角膜や結膜への接触による異物感などの不快感もない。
ハマノ眼科では、このアテロコラーゲンを使った涙道閉鎖の研究開発を1992年頃から続けてきた。プラグより手軽に受けられる涙道閉鎖法として、今後の発展が期待できる新しい治療法である。ほか、ドライアイ用眼鏡の処方や、涙点閉鎖手術を行う場合などもある。

医師プロフィール

1977年 関西医科大学医学部 卒業、大阪大学眼科室眼科研修医
1978年 東大阪市立病院眼科医員
1981年 ルイジアナ州立大学留学
1983年 大阪大学助手・講師
1988年 医学博士学位取得(大阪大学)、大阪船員保険病院眼科部長、大阪船員保険病院および大阪大学でドライアイクリニック
1996年 大阪船員保険病院ドライアイセンター長
2000年 ハマノ眼科勤務