後藤百万 医師 (ごとうももかず)

名古屋大学医学部附属病院

愛知県名古屋市昭和区鶴舞町65

  • 泌尿器科
  • 教授

泌尿器科

専門

前立腺肥大症、排尿障害、尿失禁、泌尿器科一般

後藤百万

後藤百万医師は、前立腺肥大症、尿失禁、神経因性膀胱といった排尿障害に対する診療から内視鏡・腹腔鏡・ロボットを使った内視鏡手術、高齢者の排泄ケアまで泌尿器全般を幅広くカバーするこの分野のオーソリティー。その豊富な経験と実績は、さまざまな場面で力を発揮し、多くの患者のQOLを劇的に改善している。がんのスペシャリストでもあり、特に前立腺がん、腎がん、腎盂尿管がんに対しての症例数は日本のみならず、世界でも群を抜いている。近年では愛知県と協同で排尿管理についての教育・啓発にも取り組んでいる。

診療内容

後藤医師によると、前立腺肥大症の診療には3つのポイントがあるという。
1)自覚症状のみならず、症状が生活の質に与える影響、困窮度、すなわちQOLへの影響も評価して治療選択をおこなう。
2)専門医として、自覚症状のみならず、前立腺サイズ、膀胱機能、排尿障害の程度を客観的・他覚的に評価、すなわち病態を評価して、治療方針の決定、治療効果の評価をおこなう。
3)治療方針決定においては、患者さん自身の希望を最も重要な判断基準として、十分なインフォームド・コンセントに基づいて治療を進める。
このポイントはどれもある共通点を持っている。それは、患者本意の治療をめざしているということ。患者の状態と気持ちを理解して、いかに生活の質をよりよく保ちながら治療を進めていくか。その実践に、後藤医師は自らがつちかってきた経験と知識をおしみなく注ぎ込む。
実際の治療では、次のような進み方をする。
「症状が軽い場合は強い場合は、経過観察をしていき、強くなったら薬による治療をおこないます。この薬は交感神経αブロッカーといい、前立腺の平滑筋を緩めることにより、尿道の圧迫を軽減するものです。ここで判断に使うのは国際前立腺症状スコアー(IPSS)と呼ばれるもので、この値が中等以上の人が治療の対象となります。ただし、治療にどの手段を選ぶかは症状や年齢を考慮し、患者さんの考えも聞きながらじっくりと相談して決めていきます」
これでも改善されない、あるいは残尿が多い場合、さらには腎臓の機能が悪くなったりする場合には、経薬物治療より手術が選択される。手術は下半身麻酔のもと、内視鏡を使い電気メスで前立腺を削りとるものが一般的だが、最近ではレーザーを用いた前立腺切除術もおこなわれるようになっている。
後藤医師が率いる泌尿器科では、前立腺肥大症だけではなく幅広い診療をおこなっている。前立腺がんに対する小線源療法、また手術療法では腹腔鏡下手術にも以前から精力的に取り組んでおり、後藤医師が陣頭指揮をとり腎がん、腎盂尿管がん、前立腺がん、精巣腫瘍のリンパ節転移、副腎腫瘍に対する腹腔鏡下手術で多くの実績を残している。平成24年4月からは、ロボットによる前立腺がん手術、平成26年4月からはロボットによる腎がん手術が保健適用となり、同泌尿器科でも週に4件のペースで実施している。
腹腔鏡下で手術をおこなうことにより、患者の体への負担が減り、早期の回復につながる。そこには後藤医師の「できるだけ負担を減らして生活の質を高レベルで保ちたい」という意思が見える。
近年では愛知県と協同して排尿管理についての教育・啓発にも取り組んでおり、東海エリアの医療のキーマンとして活躍している。

医師プロフィール

1980年 三重大学医学部卒業。名古屋大学大学院医学研究課程入学
1984年 名古屋大学大学院医学研究課程修了。名古屋大学医学部附属病院泌尿器科非常勤医員 マクギル大学(カナダ・モントリオール)留学
1988年 碧南市民病院泌尿器科医長
1992年 碧南市民病院泌尿器科部長
1998年 名古屋大学医学部附属病院泌尿器科講師
2004年4月 名古屋大学排泄情報センター部長
2006年 名古屋大学大学大学院医学系研究科病態外科学講座泌尿器科学教授
2007年4月 名古屋大学附属病院長輔佐、安全管理部長
2007年9月 名古屋大学附属病院副病院長