夛田浩 医師 (ただひろし)

福井大学医学部附属病院

福井県吉田郡永平寺町松岡下合月23-3

  • 循環器内科
  • 教授 科長

循環器科 内科

専門

不整脈、心不全、虚血性心疾患、冠動脈疾患、弁膜症、心筋疾患、大血管・末梢動脈疾患、心臓腫瘍、先天性心疾患、肺循環障害

夛田浩

夛田浩医師は循環器疾患のどの領域の疾患に対しても広い見識と高い診療担当能力を有するが、特に臨床不整脈領域の名医と目されている。不整脈は突然の動機、眩暈、失神を引き起こし、時には突然死をももたらすが、1992年頃までは抗不整脈薬による対症療法のみが、唯一の治療法であった。カテーテルアブレーションは不整脈の根治療法として注目されており、夛田医師はそのエキスパートである。夛田医師は不整脈疾患にはカテーテルアブレーション、植込み型ペースメーカ、および植込み型除細動器(ICD)を、心不全には心臓再同期療法(CRT)を、そして虚血性心疾患・冠動脈疾患の治療には経皮的冠動脈形成術(PCI)を、と最先端の治療法を用いて重症循環器疾患を治療する高い技術を持つ。

診療内容

当科では虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、不整脈、心不全、心臓弁膜症、心筋・心膜疾患、大動脈疾患、急性肺血栓塞栓症、先天性心疾患、末梢動脈疾患および高血圧症の診療を中心として、成人循環器疾患全般を診療する。特に虚血性心疾患、重症心不全、難治性不整脈に対する高水準の先端治療に重点をおく。
夛田医師が執刀するカテーテルアブレーションの手術では不整脈疾患の根治が可能。カテーテルアブレーションの対象となる不整脈疾患は、WPW症候群に伴う房室回帰性頻拍や房室結節リエントリー性頻拍・心房頻拍・心房粗動・心房細動といった上室性不整脈、心室性不整脈のうち心室頻拍や心室細動の一部。つまり70%から80%の不整脈疾患がカテーテルアブレーションで根治可能ということになる。心房細動は日本人の0.65%に認められる最もありふれた不整脈疾患である。心房が400~600回/分の高頻度で震えるように興奮するために左房内に血液がうっ滞して心房内血栓を形成、時に塞栓症を引き起こす。2011年度の循環器学会ガイドラインによるとカテーテルアブレーションは薬剤抵抗性、発作性心室細動に対する第一選択療法となっている。夛田医師の筑波大在籍時のカテーテルアブレーションの成功率は発作性心房細動で78%、持続性心房細動で58%と高く、メタアナリシスによる心房細動に対するアブレーションの成功率の50~77%という報告と同等か、それ以上の成績を誇る。また、合併症による死亡や脳梗塞は一例もない。夛田医師のカテーテルアブレーションの手技経験数は2011年264例。前任の施設(筑波大学附属病院)の2011年の総アブレーション件数は433例で、これは全国第5位の実績である。夛田医師はいままで同科でのアブレーション治療の中心的リーダーとして精力的に治療にあたってきた。突然死の6割は急性心筋梗塞や狭心症、不整脈、心筋疾患、弁膜症、心不全といった心臓病によるものであり、心停止の原因は心室細動によるものがほとんどである。植込み型除細動器(ICD)の手術では専用のデバイスを前胸部の皮下に植え込み、かつ専用のリードを右室心尖部に留置する。ICDによりペーシング、あるいは電気ショック(除細動)により致死性心室性不整脈の停止が可能である。
難治性・重症心不全症例に対しては心臓再同期療法(CRT)を行う。同期不全を有する重症心不全症例に対して右房・右室・そして左室側にリードを留置して、専用デバイスを用いてペーシングをおこなう。左室ペーシングリードは冠静脈洞入口部より挿入し、左室側壁-後側壁の冠静脈分枝に留置するが、その留置を安全、かつ正確におこなうにはある程度の経験が必要である。
植込み型除細動器(ICD)と心臓再同期療法(CRT)の認定基準施設の条件は、1)心臓電気生理学検査を年間50例以上実施していること、2)開心術、または冠動脈・大動脈バイパス移植術を合わせて年間30例以上実施し、かつペースメーカ移植術を年間10例以上実施していること、3)循環器科、および心臓血管外科の常勤医師数がそれぞれ二名以上であること、と定められている。当院はそれを充分に満たす高い水準の治療体制を整えている。
「これからの治療方針として、虚血性心疾患では現体制を堅持し、さらなる冠動脈形成術(PCI)の症例数増加に努めます。不整脈・心不全疾患ではカテーテルアブレーションやデバイス治療(ICD・CRT)を積極的に導入・推進していきます」(夛田医師)

医師プロフィール

1985年5月~1985年6月 福井医科大学臨床見学生
1985年6月~1986年4月 福井医科大学第3内科医員(研修医)
1986年5月~1987年3月 福井総合病院内科医師
1987年4月~1988年3月 舞鶴共済病院内科医師
1988年4月~1992年3月 福井医科大学大学院医学研究科博士課程
1992年4月~1992年4月 高村病院内科医師
1992年5月~1994年9月 国立循環器病センター内科心臓部門レジデント
1994年10月~1997年3月 福井医科大学医学部内科学(第3内科)助手
1997年4月~1999年10月 群馬県立心臓血管センター循環器内科医師
1999年11月~2001年11月 米国ミシガン大学内科 Research fellow
2001年12月~2004年3月 群馬県立心臓血管センター循環器内科医師
2004年4月~2007年2月 群馬県立心臓血管センター循環器内科第4部長
2007年3月~2007年12月 米国ミシガン大学内科 Research scholar
2008年1月~2008年4月 群馬県立心臓血管センター循環器内科第4部長
2008年5月~2011年4月 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 次世代医療研究開発・教育統合センター 准教授
2011年5月~2012年7月 筑波大学大学院 人間総合科学研究科 循環器内科 准教授
2012年8月~現在 福井大学医学部 病態制御医学講座 循環器内科学 教授

「不整脈」を専門とする医師