野元正弘 医師 (のもとまさひろ)

愛媛大学医学部附属病院

愛媛県東温市志津川454

  • 薬物療法・神経内科、臨床研究支援センター
  • 特命教授

内科 神経内科

専門

脳神経系の疾患(パーキンソン病、ふるえ、ジストニア、認知症、頭痛、脊髄小脳変性症、運動ニューロン疾患、脳血管障害、末梢神経障害、筋疾患など)

野元正弘

1984年からパーキンソン病などの研究分野の中心的役割を担っているロンドン大学キングズ・カレッジ校へ留学し「神経疾患についての研究を行いながら最先端の治療法の開発に携わる。1986年に帰国後は国立水俣病研究センターの内科室長として、水俣病及び有機水銀中毒に関する総合的な調査・研究を行った。
愛媛大学の薬物療法・神経内科学は、神経内科の治療薬をテーマとするわが国でははじめての講座で、特命教授である野元正弘医師は、現在、教室スタッフと共に新しい治療薬の開発を行っている。

診療内容

パーキンソン病は、脳の幹にあたる黒質という部分の神経細胞がゆっくりと減少し、その神経が働くときに使うドパミンという物質が減ることによって起こる病気である。手足の震え・動作が遅くなりぎこちない・筋肉がこわばりころびやすいなどの症状が現れる。高齢化にともない患者数が増加し、現在10万人あたり100~150人の方がこの病気にかかっている。脳の神経が変性する疾患の中ではアルツハイマー病に次いで多い病気である。
治療は薬物療法が中心となっているが、深部脳刺激療法(DBS)も有効である。ドパミンの代わりに働く治療薬が数多く開発され長期に渡る病気のコントロールが可能になってきている。薬物治療の効果が不十分な時には、手術療法「脳深部刺激療法(DBS)」を行っている。脳の中に電極を埋め込み、震えやジスキネジア、筋肉の固縮などの運動症状の軽減を行うものである。
「最近では、薬の製剤技術の進歩によって、患者さんの状態やニーズに応じた薬剤の開発が進み、より負担なく使えるように工夫された薬が増えてきました。また、従来にはなかった作用メカニズムを持つ新しい薬剤も登場し、治療の選択肢が広がってきています」と野元医師は語る。
しかし、「薬の効果は人により異なり、1つの薬で治療しても3人に2人しか効きません。個人差に合わせたオーダーメイド治療を実践し、この2人を3人に近づけて、全ての人に有効な治療をめざしています」(薬物療法・神経内科学HPより)

パーキンソン病の診断と今後の治療については「最も治療薬の豊富な神経疾患であり、十分な治療を適切に行うことにより、予後(治療経過)は大きく改善します。今後もさらに神経変性予防に直接働く治療が開発されることを期待し、また努力していきます」(野元医師)

最後に「パーキンソン病の患者さんは、どうしても気持ちが後ろ向きになる傾向があります。家族の方は、どんどん励ましてあげてください。本人が多少億劫がっても、外出を勧めて「散歩に行きましょう」「○○さんと会いましょう」と積極的に連れ出して、体を動かす機会を作ってあげてください。食生活と運動を含めた日常生活をきっちり続けられることがとても大切ですし、予後も改善されます。ぜひご家族も協力してください」とも話す。

医師プロフィール

1984年 Department of Neurology, Institute of Psychiatry (London, UK) British Council Scholar
1986年 国立水俣病研究センター(環境庁)内科室長
1988年 鹿児島大学医学部 講師
1990年 鹿児島大学医学部 助教授
2001年 愛媛大学医学部 教授
2017年4月 愛媛大学医学部 特命教授

「認知症」を専門とする医師