新井平伊 医師 (あらいへいい)

順天堂大学医学部附属順天堂医院

東京都文京区本郷3-1-3

  • メンタルクリニック
  • 診療科長、主任教授

精神科 心療内科 老年科

専門

精神医学全般、老年精神医学、コンサルテーション・リエゾン精神医学、若年性アルツハイマー病専門外来

新井平伊

85歳以上の3割がかかる、頻度の高い疾患・認知症。新井平伊医師は『アルツハイマー病研究者 世界トップ100』の38位に選出された研究者でもある。日本で唯一の若年性アルツハイマー病専門外来での診療にもあたる。そのモットーは患者が抱える恐怖や不安に寄り添い、支えること。「認知症になったらもうお終いだ…という概念を打ち破りたい」という。力強く語る認知症の名医は、病気の治療だけでなく、患者とその家族への生活における支援もとても大切にしている。

診療内容

「認知症の研究は、世界中で行われており、素晴らしいスピードで進んでいます」と新井医師。
とりわけ目覚しいのはアルツハイマー病の研究だという。
「病気を引き起こすアミロイドβ蛋白をターゲットにして、診断の研究が進んでいます。アミロイドβ蛋白が脳のなかにどれくらい溜まっているかを映し出すペット検査が確立されれば、精度の高い早期診断が可能になります。もちろん治療法の研究も盛んに行われています。診断は5年ぐらいで確立し、治療も10年後には病気の進行を止める薬が開発されるかもしれません」(新井医師)
進んでいるといえば、今年は治療薬の体制も変わる。「合計3種類の薬が日本でも承認されて、アルツハイマー病の治療薬が4剤体制になります」(新井医師)
従来認可されてきた薬(アリセプト)も含め、これらの治療薬では、病気の進行を1年から2年遅らせることが可能だ。だがこの「1年から2年」という期間、患者やその家族にとっては「それだけ?」と感じるはず。
「確かにそうでしょう。でも、認知症の場合、落ち込みやイライラといった精神症状や、譫妄や徘徊といった周辺症状のほうがむしろ、物忘れ症状よりも問題になったりするのですが、そちらのほうは専門的治療を受ければ治せます。病気を持っていても、生活を成り立たせ、エンジョイすることはできるのです」(新井医師)
「私たちの役目は、一緒にアルツハイマー病と戦っていこうという姿勢を、患者さんと家族に示すこと。告知して薬を出すだけではありません。認知症になってしまったら、もう人生終わりなのか。そんなことはない。不幸にして病気になったとしても、アルツハイマー病はべつに命が縮むわけではありません。15年、20年の病気です。ですから、認知症でもいかに人生をエンジョイして、全うするか。その手助けをしたい」(新井医師)

医師プロフィール

順天堂大学医学部精神医学講座教授、順天堂大学越谷病院院長代行

1953年生まれ
1978年 順天堂大学卒業、同大学院、東京都精神医学総合研究所主任研究員、順天堂大学医学部講師を経て
1997年より現職
1999年 我が国で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設

「認知症」を専門とする医師