林泰史 医師 (はやしやすふみ)

原宿リハビリテーション病院

東京都渋谷区神宮前6-26-1

  • リハビリテーション科
  • 名誉院長

リハビリテーション科

専門

整形外科学、リハビリテーション医学、高齢者医学、骨粗鬆症

林泰史

林泰史医師は、骨密度や、寿命と健康の関係などの研究に取り組む、高齢者医療・骨研究・リハビリテーション医療の第一人者。東京都衛生局勤務時代は、健康推進部長、また、技監という立場から高齢者医療施策の策定にも携わってきた。骨折による寝たきり高齢者の増加に危機感を抱き、高齢期を健康に過ごす「骨の健康」の重要性を説き、骨粗鬆症などの治療を行っている。テレビ出演や講演、著書を通して、骨粗鬆症予防に役立つ食事・運動の知識普及にも努めている。

診療内容

高齢社会の到来により、骨粗鬆症の患者が増え、転倒を機に寝たきりになる高齢者が多くなっている。骨粗鬆症の原因として、加齢による骨密度減少が広く認識されるようになったが、かといって早くから対策を講じる人はいまだ多くない。「我々は20歳頃に骨密度のピークを迎えますが、その後徐々に減少し、女性では65~70歳には7割程度にまで低下します。その間の成人期に心がけたいのが、骨のカルシウム量をキープすること。そのポイントは、食事、そして運動です」(林泰史医師)。

骨粗鬆症は高齢者の病気だと思われがちだが、中高年にとっても注意が必要だと林泰史医師は話す。理由は、生活習慣病の人は骨の質が低下し、骨折しやすいとされるからだ。「不規則で栄養バランスが偏った食生活や運動不足、さらに飲酒や喫煙などにより、中高年でも骨粗鬆症になる人もいるので注意が必要です。また、従来は女性に多かったのが、平均寿命が延びた今、男性で骨粗鬆症になる人も決して少なくありません」(林泰史医師)。

骨粗鬆症の薬物療法には、ビスホスホネート製剤に活性型ビタミンD製剤を併用することが多い。ビスホスホネート製剤は骨吸収を防ぎ、ビタミンD製剤はカルシウム吸収を促進させる作用をもつ薬だ。ここで肝心なのは、飲み忘れを防ぐことだと林泰史医師は話す。効果が目に見えないからといって自己判断で薬を中断する人が多いため、内服薬には、毎日、週1回、月1回と、自分のライフスタイルに合わせて飲みやすいタイプを選ぶことができるようになったという。飲み忘れが心配な人は、2016年に認可された、年1回の注射で済む薬(一般名ゾレドロン酸、商品名リクラスト)を使う選択肢もある。

骨粗鬆症の治療においては、生活指導も欠かせない。骨を強くする第一のポイントは、食事でカルシウム摂取を増やすと同時に、ビタミンDとビタミンK2を積極的に摂取することだ。

食事に加えて、運動も、血液中のカルシウムが骨へ沈着するのを促進するため効果的である。理論上は、骨への負荷の大きい運動を長く続けるほうが効果的だが、外傷などのリスクがある上、楽しく続けられるかどうかを考えると現実的には難しい。そこで、1日8000~10000歩程度の散歩を目安としたり、趣味程度の軽い運動をすることで地道に骨へカルシウムを蓄えて戴きたいという。

食事や運動とあわせて、ビタミンDを増やす効果のある日光浴も推奨される。1日10~15分、日常生活の中でよいので、日光に当たる機会を作るとよい。

古来、中国では骨の豊かさが大切だと考えられたことから、骨を「體」と表記していた、と林医師は話す。「日頃はとかく、命に関わる内臓の病気にばかりに気を取られがちですが、高齢化が加速する今こそ、長らえた人生を楽しむためにも“骨の健康”を増進させるべきです」(林泰史医師)。

医師プロフィール

1964年 京都府立医科大学 卒業
1965年 東京大学整形外科学教室 入局
1974年 米国テキサス大学骨代謝科 留学
1976年 東京都老人医療センター(現・東京都健康長寿医療センター)整形外科 医長
1986年 東京都老人医療センター リハビリテーション科 部長
1990年 東京都リハビリテーション病院 副院長
1995年 東京都衛生局技監・東京都精神科学研究所 所長
1999年 東京都多摩老人医療センター(現・東京都保健医療公社多摩北部医療センター) 院長
2002年 東京都老人医療センター院長、東京都老人総合研究所所長併任
2006年 東京都リハビリテーション病院 院長
2015年 一般社団法人巨樹の会 原宿リハビリテーション病院 名誉院長