宮尾益理子 医師 (みやおまりこ)

東京大学医学部附属病院

東京都文京区本郷7-3-1

  • 老年病科 女性総合外来
  • 非常勤講師

婦人科 産婦人科 老年科

専門

加齢医学、糖尿病、骨粗鬆症、動脈硬化、内分泌代謝学、性差医療・女性医療

宮尾益理子

「病気ではなく人を良くする」ことをめざす東京大学医学部附属病院老年病科内の女性外来に開設当初から携わる。女性医師が女性のライフサイクルに応じたさまざまな症状を全人的に診療。1回30分という十分な診療時間を活かして、女性の悩みを総合的に診療している。宮尾益理子医師は内科医としてホルモン補充療法など性差を考慮した診療を行ってきた。その経験をもとに一般診療では解決しにくかった更年期の女性を診察。西洋医学から東洋医学、生活指導まで含めた幅広い治療を行っている。

診療内容

更年期障害は、閉経前後の約10年間、女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少することで起きるさまざまな症状(更年期症状)により、日常生活に支障を来す場合を指す。具体的にはほてり(ホットフラッシュ)、冷え、頭痛などの身体的症状、イライラ、うつ、不安感などの精神的症状が現れるが、同院の女性外来を訪れる患者の多くも、更年期や更年期をきっかけに体調を崩した更年期以降の女性である。主な原因は、女性ホルモンの低下であるが、家族の理解など周囲のサポート体制、自身のこれまでの人生への思いなどにより、期間、症状は強く影響される。
そのため、女性外来では「患者さんが自らの言葉で語る症状や心理的・社会的背景によく耳を傾け、複数の臓器、精神面と身体面を含めた全人的な医療を行っています。更年期の女性は、お話を伺い、問題点を整理することで症状が軽くなるケースも少なくありません。生活習慣病も、検査値の異常のみの〈未病〉の段階で生活習慣を見直すことにより、検査値の改善、疾患、合併症の発症予防に結びつきます」と宮尾医師は話す。
宮尾医師は、更年期障害の治療に女性ホルモン補充療法(HRT)も積極的に行い、大きな成果をあげている。「ホットフラッシュや発汗などの症状には、かなりの方に、その他の症状にも個人差がありますが、劇的な効果が得られることがあります。HRTにもさまざまな方法がありますが、主にエストロゲンの貼り薬の使用を提案しています。一方で、乳がんや子宮体がんに関する健診、血液検査が定期的に必要となりますし、HRTを行なえない、行わない方がよい方もいますので、HRTのメリット・デメリットをご説明しています。更年期障害の治療にはHRT以外にもその方にあう治療を探していきます。また、エストロゲンの減少は老化に伴う動脈硬化性疾患や骨粗鬆症、認知症といった介護が必要となる疾の原因ともなり、更年期症状をきっかけに、コレステロールが上昇し、骨密度が減少します。食習慣、運動習慣などの生活習慣を見直すとともに、健診をうけることが重要です。かかりつけの健診施設、医療機関、パートナードクターをみつける適齢期でもあります。健康寿命とは誰かの助けを借りずに自立して生活することのできる期間です。世界一長寿の日本女性ですが、ある時点で平均余命に占める自立期間の割合は男性より低くなり、要介護の期間は長期にわたります。健康長寿のためにも、更年期は自分の健康を考える最適の時期です」と宮尾医師は話している。

医師プロフィール

1991年3月 徳島大学医学部 卒業
1991年 東京大学医学部附属病院内科医研修
1992年 東京都老人医療センター(循環器科、内分泌代謝科)
1994年 東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座
1998年 東京大学医学部老年病学教室医員
2000年 東京大学医学部老年病学教室文部技官、関東中央病院代謝内分泌科医長
2004年 東京大学非常勤講師(老年病科、加齢医学)兼任
2009年 Gainesville Veterans Affairs Medical Center
Geriatric Research, Education and Clinical Center (GRECC)
2011年4月 関東中央病院健康管理科部長

「更年期障害」を専門とする医師