ニパウイルス感染症〔にぱういるすかんせんしょう〕

 1999年3月にマレーシアで発生した急性脳炎の多発は、新種のパラミクソウイルス科であるニパウイルスによるブタの感染と人での脳炎であることが解明されました。マレーシア政府は、感染源となったブタの殺処分をおこない、人への感染経路を遮断しました。人への感染経路は感染動物(おもにブタ)の体液や組織との接触によると考えられています。わが国においては、当時からこれまで直接的な被害はありません。

(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)
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