中村正 医師 (なかむらただし)

医療法人 川崎病院

兵庫県神戸市兵庫区東山町3-3-1

  • 糖尿病内分泌内科
  • 院長

内分泌科・糖尿病 内科 内分泌内科

専門

肥満症、動脈硬化、高脂血症、循環器疾患一般

中村正

中村正医師はメタボリックシンドローム診断基準作成時の検討委員会メンバーの一人であり、20数年にわたってメタボ治療の最先端を担ってきた。内臓脂肪とメタボリックシンドロームの関連性に詳しく、生活習慣病(心臓病、動脈硬化症、脂質異常、糖尿病、痛風・高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群など)の治療に取り組んできた。病気の診断・治療にとどまらず、患者の日常生活習慣改善のための指導や心のケアに至るまで十分配慮した診療を心がける、予防医学のエキスパートでもある。

診療内容

2005年4月、日本内科学会は「メタボリックシンドローム診断基準」を発表した。中村医師は本ガイドライン検討委員会の事務局の一人として参加した、肥満治療のスペシャリストである。現在は同院での診察のほか、人間ドックや健康診断を中心とした「予防医学」にも積極的に取り組んでいる。
中村医師は20数年間にわたり、大阪大学医学部附属病院で心臓病、動脈硬化症、脂質異常、糖尿病、痛風・高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群などの生活習慣病患者の診療を行ってきた。その中で、肥満症、特に内臓脂肪が貯まることが生活習慣病の根本的な原因であることを明らかにしてきた。この内臓脂肪の存在は、特定健診にも取り入れられているメタボリックシンドロームの概念に強く関係しているという。
「皮下脂肪」は文字通り皮膚の下に貯まる脂肪である。一方、「内臓脂肪」はお腹の中の胃や小腸を束ねる大網や腸間膜と呼ばれる部分に貯まる脂肪を指す。皮下脂肪は長く物資を貯めておく備蓄倉庫の役割を果たし、内臓脂肪は物資をいつでも出し入れできる一時保管庫の働きを持つ。内臓脂肪は糖や脂肪の産生工場である肝臓のすぐ手前にあり、身体の代謝をコントロールしやすい特徴がある。しかし、この倉庫の在庫調整作用がうまくいっている間はよいが、食べ過ぎや運動不足でエネルギー過剰となると溢れ出して直接肝臓に入り、糖尿病や脂質異常、脂肪肝などの生活習慣病を起こしやすいという。
「内臓脂肪は今でこそ諸悪の根源のような扱いを受けていますが、かつては飢餓を乗り切るために人類が備えてきた貴重な資源であり、貯まりやすいが減りやすい脂肪なのです。内臓脂肪がたまるのは、不規則な生活や運動不足、ストレスなどが原因と言われています」と中村医師は語る。
中村医師は「隠れ内臓肥満」の存在と怖さについても指摘する。「見た目は痩せていても、お腹だけが出ている隠れ内臓肥満が増えています。これは生活習慣病の原因になるので注意が必要です」
肥満には2つのタイプがあると言われる。おなかの皮下に脂肪が蓄積される「洋ナシ型(皮下脂肪型肥満)」と、内臓のまわりに脂肪が蓄積する「リンゴ型(内臓脂肪型肥満)」である。そして、リンゴ型肥満がきわめて危険な肥満と言われている。
中村医師によると、隠れ内臓肥満は、リンゴ型肥満に匹敵する程危険であるという。体重や腹囲は正常で、一見スリムな体型で手足は細いのに、おなかだけ出ていて、おなかの皮が薄くつまみにくい、つまり体内の内臓脂肪組織の割合が多い状態が特徴である。BMI値が25未満であったり、腹囲もメタボリックシンドロームの基準未満(男性85cm、女性90cm)であるため、本人に肥満の自覚がないだけに危険であるという。血糖値、血圧、中性脂肪が高めの人は特に注意が必要である。
遺伝学的にみると、日本人は欧米人と比べて内臓脂肪がたまりやすく、糖尿病を発症しやすい性質があると言われる。隠れ肥満の兆候を感じたら早期にメタボ専門医にかかり、治療とともに生活改善の指導を仰ぎたい。

医師プロフィール

1981年 日本医科大学医学部卒業
2005年 大阪大学大学院内分泌代謝内科講師
2003年 日本肥満学会特別賞
2009年 医療法人川崎病院副院長、大阪大学大学院内分泌代謝内科特任講師(兼務)
2012年 医療法人川崎病院院長

「肥満症」を専門とする医師