春名眞一 医師 (はるなしんいち)

獨協医科大学病院

栃木県下都賀郡壬生町北小林880

  • 耳鼻咽喉・頭頸部外科
  • 診療部長、主任教授

耳鼻咽喉科 頭頸部外科

専門

鼻副鼻腔疾患、上気道疾患

春名眞一

内視鏡的鼻内副鼻腔手術において我が国で圧倒的な経験をもつエキスパートであり、講演活動や論文執筆・学会発表も精力的に行う。2010年度公益財団法人 難病医学研究財団難病情報センター『好酸球性副鼻腔炎の疫学、診断基準作成等に関する研究班』では研究分担者としても活動。2002年日本鼻科学会賞受賞。内視鏡下手術の適応拡大として、鼻アレルギーへの適応(翼突管神経切断術)や眼窩内病変へのアプローチ、下垂体腫瘍などへの応用と大学病院として高度な医療を率先して行っている。

診療内容

同院で耳鼻咽喉・頭頚部外科診療部長を務める春名医師は、我が国において内視鏡的鼻内副鼻腔手術で圧倒的な経験をもつ権威。「副鼻腔炎(蓄膿症)」の治療については、以下のように語る。
「副鼻腔炎は、耳鼻咽喉科において最も診療する疾患であり、古くから病態と治療の多くの研究がなされています。薬や洗浄で治らない人や何度も繰り返す人は手術が必要となりますが、最近では副鼻腔炎手術に内視鏡が導入され、細部まで死角なく繊細な手術操作が行えるようになっております。また手術支援機器の開発により、シェーバーシステム、ナビゲーションシステムなどを使い、手術操作を安全にかつ容易にしております」
具体的には、慈大式内視鏡下鼻内副鼻腔手術(Endoscopic sinus surgery : ESS)という手術を施行。これは以前の鼻根治術とは異なり、各副鼻腔を単洞化させ、換気と排泄を促し、薬物療法を加えて、副鼻腔粘膜の再生を促す目的で行われる。的確で繊細な手術方法であり、この術式を取り入れて以来、同科で扱う症例数は約3倍に増加したそうである。なお、症状にもよるが、入院期間は約7日ほど。
従来の副鼻腔炎に比べ病変が篩骨洞優位に出現するため、早期に嗅覚障害が出現しやすく、しばしば喘息を合併するのは「好酸球性副鼻腔炎」。現在のところ「難治性副鼻腔炎」に属されており、ESSを施行しても従来の副鼻腔炎に比べ、予後は悪い。しかし、積極的に手術療法を行い、術後ステロイドの投与、自宅で生理食塩水を使っての鼻洗浄や抗アレルギー薬の服用により、術後1年では嗅覚障害をはじめとする鼻症状の改善を維持しているケースが多いという(再燃の危険性があるため、定期的な外来にての経過観察が必要)。また、最近では好酸球性副鼻腔炎の再燃や、以前の不十分な手術などが原因で、新たに手術治療の対象になっている症例が増加しているという。
「再手術例は鼻副鼻腔形態異常や出血しやすいなど、初回例に比べESS手術の難度が高くなります。こうした難易度の手術の危険を回避するためにも、先進医療であるナビゲーションシステムは非常に有効なのです」(春名医師)
春名医師らは臨床的症例を積み重ね、再手術症例の因子も検討しているという。
「さらに内視鏡下手術の適応拡大として、鼻アレルギーへの適応(翼突管神経切断術)や眼窩内病変へのアプローチ、下垂体腫瘍などへの応用と大学病院として高度な医療を率先して行っております。一方、副鼻腔炎の病態も化膿性の副鼻腔炎は軽症化し、変わってアレルギー因子を含んだ副鼻腔炎が指摘され、病態を複雑化しております。そのような状況の中で私たちは鼻副鼻腔疾患専門外来を設置し、適切な検査・治療、適切な情報を提供できるようにしています」(春名医師)

医師プロフィール

1985年3月 東京慈恵会医科大学 卒業
1987年4月 東京慈恵医科大学耳鼻咽喉科研修修了
   5月 東京慈恵医科大学耳鼻咽喉科助手
1991年9月 米国ミネソタ大学留学
1994年1月 同愛記念病院耳鼻咽喉科主任
1997年7月 東京慈恵医科大学耳鼻咽喉科講師
2005年11月 東京慈恵医科大学耳鼻咽喉科助教授
2006年4月 獨協医科大学耳鼻咽喉科主任教授