吉澤明孝 医師 (よしざわあきたか)

要町病院

東京都豊島区要町1-11-13

  • 要町ホームケアクリニック 院長

内科 緩和ケア 麻酔科

専門

麻酔科、ペインクリニック、緩和医療、在宅医療

吉澤明孝

在宅を含む緩和医療のスペシャリストであり、特に困難とされるがん末期患者等の緩和ケアを一般病棟・外来・在宅で実践。同院では内科・ペインクリニック・緩和医療・在宅医療(1994年~)を担当。2006年に要町ホームケアクリニック開設後は、院長として在宅医療を継続している。ペインクリニックとして疼痛の患者に対しては侵襲の少ない光線療法を、がん患者に対しては症状緩和を中心としたケアを、在宅・外来・入院で行う。慈恵医科大学麻酔科学教室・東京医科歯科大学では非常勤講師を務める。

診療内容

在宅医療の法整備が進み始めた1994年頃から、在宅医療に取り組む吉澤医師。在宅だけでなく緩和医療の分野においても第一人者であり、在宅のなかでも特に困難とされるがん末期患者等の緩和ケアを在宅でも実践(同院での入院・外来でも受診可能)。WHO方式に準じたがん性疼痛管理を中心に、身体的苦痛だけでなく精神的・社会的・霊的苦痛を含んだトータルペインとして疼痛管理を積極的に行っている。
「緩和ケア導入時は治療方法を患者さんや家族に説明し、その選択を一緒に考え、一方通行にならないよう心がけています。また、専任のコーディネーター職も配置し、医師や看護師に話しづらいようなことでも気軽に相談していただける工夫もしています」(吉澤医師)
通常は1~2週に一度の割合で訪問診療を行っているが、がんの患者においては1日に何度も訪問したり、昼夜・休日を問わずケアを行ってくれる。さらに、一時的な入院が必要な場合や在宅が困難なときには、連携先の同院に入院できるシステムがあるなど、緊急時の対応も安心できる。
「がんなどで末期の場合『自宅療養をしたくても実際には難しい』と考える人が多くいますが、在宅ケアは十分可能です。がんの患者さんは進行具合に応じて『がん自体の治療』と、痛みなどの症状を和らげる『緩和ケア』を組み合わせて受けます。在宅ケアへの移行が検討されるのは、多くの場合、手術や放射線治療など、がん自体の治療を終えて緩和ケアが中心になった時期です。最近は在宅ケアのシステムが充実し、在宅でも医療機関とほぼ同じように対処することができます。訪問看護や介護サービスを利用すればご家族の負担も軽くなり、自宅での看とりを望むようになるケースも増えます」(吉澤医師)
看護面では、地域の訪問看護ステーションの看護師が自宅を訪問。医師の訪問診療では、がんの痛みや抗がん剤の副作用を和らげたり「食事がとれない」「呼吸が苦しい」「胸水や腹水がたまった」といった症状に対処する。また、理学療法士などが訪問し、リハビリテーションの指導を行う場合もある。
ケアのポイントは「傾聴」「共感」「手当て」「ユーモア」の4つ。
「医師や看護師などが時間をかけて話を聞き(傾聴)、患者さんの悩みや不安に共感することで、それらが和らぐといった精神的なケアの側面もあります。また、手を握ったり痛いところに手を当てる『手当て』は、安心感を与えたり、痛みを和らげる効果も。さらにユーモアを交えて話すことで、場の雰囲気全体が和やかになります」(吉澤医師)
このように多面的なメリットをもつ在宅医療であるが、いまだ多くの人が「利用するにはハードルが高い」と思われているのが現状である。在宅医療を利用したいと考えても、そもそも誰と相談し、どういう手順でどう準備をすればいいのか、そもそも介護認定の申請をどこですればいいのかすらもわからないケースが少なくない。
吉澤医師も「在宅医療を後方支援するシステムがないことが、大きな社会的問題」と語る。そして、この問題を解消するため、自ら在宅医療のコーディネーターの導入に取り組んでいるという。
「都内では最近、各自治体に相談窓口ができつつあります。あとは緊急対応のシステムを全国的に整備し、在宅医療の後方支援施設が患者と病院の間に介在するようになれば、在宅医療の導入へのハードルは低くなり、在宅医療は広く浸透していくことでしょう」(吉澤医師)
患者にとって、家とは生活の拠点であり城。そして、患者が家で安心して家族と楽しく過ごすことを支えるのが在宅医療である。
「そのための環境づくりの役目は、医療が果たさなければならない」という信念をもつ吉澤医師は、患者宅への診察だけでなく、自宅医療のさらなる環境整備を目指し、日々走り回る。

医師プロフィール

1985年3月 日本大学医学部卒業
1989年3月 日本大学医学部大学院卒業(外科系麻酔科学専攻)博士号取得
   4月 癌研究会附属病院麻酔科勤務
1994年4月 要町病院麻酔科部長・在宅医療部長
1995年4月 要町病院副院長
2004年4月 東京慈恵会医科大学麻酔科学教室非常勤講師
2006年4月 要町ホームケアクリニック院長として病院と兼務し現在に至る
2007年4月 東京医科歯科大学大学院非常勤講師
2010年4月 東京慈恵会医科大学腫瘍血液内科非常勤臨床医長(緩和ケアチーム)