赤痢アメーバ症〔せきりあめーばしょう〕

 赤痢アメーバは、熱帯・亜熱帯の開発途上国では飲料水や食品から感染する病気ですが、欧米の先進国ではおもに同性間の性的接触によって感染しています。
 人は便中の成熟嚢子(のうし:休止状態にあるもの。シストともいう)を飲料水や食品とともに口にして感染します。シストは小腸に至ると栄養体(アメーバ)に変化し分裂・増殖を始めます。大腸に潰瘍を形成し、イチゴゼリー状の粘血性下痢、腹痛を起こします。潜伏期間は通常1~4週間です。
 腸の病変(アメーバ赤痢)を治療しないでいると、腸管に孔をあけ腹膜炎を起こすことがあります。また数年後に肝臓や肺に膿瘍をつくることがあります。
 下痢便や膿瘍液、大腸病変部から原虫を見つけだして診断します。大腸内視鏡による観察が有用です。血清を用いた免疫診断も役立ちます。原虫が見つかったらすぐ駆虫します。特に熱帯地では、飲料水や生の食品に気をつけてください。

【参照】感染症:アメーバ赤痢

(執筆・監修:長野県飯田保健福祉事務所 所長 松岡 裕之)
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