ジアルジア症(ランブル鞭毛虫症)〔じあるじあしょう(らんぶるべんもうちゅうしょう)〕 家庭の医学

 ランブル鞭毛虫は熱帯・亜熱帯地域を中心に全世界でみられます。人獣共通感染症の一つで、日本の野生動物にも感染がひろがっていると思われます。海外渡航歴のない人からも感染例が見つかっています。ランブル鞭毛虫の嚢子(のうし:シスト)が含まれている飲料水や生野菜などを食べて感染します。
 小腸上部の粘膜に寄生して、激しい水様性の下痢を起こします。通常は、しばらく下痢が続いて治りますが、乳幼児や高齢者、免疫不全者ではランブル鞭毛虫は腸管内でふえ続け、下痢が長びきます。胆嚢(たんのう)炎や胆管炎の原因となることもあります。便検査で原虫が見つかったらすぐ治療しましょう。

【参照】感染症:ジアルジア症

(執筆・監修:長野県飯田保健福祉事務所 所長 松岡 裕之)
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