肝吸虫症、横川吸虫症〔かんきゅうちゅうしょう、よこがわきゅうちゅうしょう〕 家庭の医学

 肝吸虫症は、木の葉状の虫が胆管内に寄生して起こる病気です。モロコ、モツゴ、コイ、ハヤ、ワカサギなどの淡水魚を刺身などで食べて感染します。軽い胃腸症状や胆管炎を起こしますが、気づかないで長期化すると肝硬変のような症状があらわれます。便検査で虫卵がみられたら、必ず駆虫してください。
 横川吸虫症はアユ、シラウオ、ウグイなどの淡水魚を刺身やあらい、おどり食いなどで食べて感染します。グルメブームや輸送手段の発達によって全国的に感染者が出ています。成虫は1mmくらいのゴマ粒大の非常に小さい虫です。成育は非常に早く、約1週間で成虫になります。少数の寄生ではほとんど症状はありませんが、たくさん寄生したときには下痢や腹痛などが起こることがあります。
 医師に相談し、便検査で虫卵が出たら、駆虫してください。

(執筆・監修:自治医科大学 名誉教授 松岡 裕之)
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