アニサキス症〔あにさきすしょう〕

 アニサキスはイルカやオットセイなどの海棲(かいせい)ほ乳類の胃に寄生している回虫の仲間です。その幼虫はサバ、ニシン、タラ、イカなどの内臓表面(まれに筋肉内)にたくさんついています。
 人はその幼虫が寄生しているサバなどを生で食べて感染しますが、人体内では幼虫のまま移行して病変を起こします(内臓幼虫移行症)。

[症状]
 胃アニサキス症と腸アニサキス症があります。胃アニサキス症の場合は、幼虫が寄生している魚を食べてから4~8時間後に、腸アニサキス症では数時間から数日後に症状があらわれます。
 アニサキス幼虫は消化管の外へ出ようと胃壁あるいは腸壁に食い込みますが、その物理的刺激により強烈な痛みを感じます。腹部の激痛、吐き気、嘔吐(おうと)、腸穿孔(せんこう)を起こす劇症型となります。

[治療][予防]
 激しい腹痛がある場合は、直前に食べた食品について医師に説明しましょう。内視鏡で虫体を確認して、摘出すれば治ります。
 幼虫は60℃で数秒、-20℃で24時間以上で死滅しますので、サバなどの食品を加熱調理するか冷凍保存することで予防できます。


【参照】胃と十二指腸の病気:胃アニサキス症

(執筆・監修:長野県飯田保健福祉事務所 所長 松岡 裕之)
医師を探す