薬物性肝障害

 薬は、基本的に人間のからだにとっては異物であり、毒物と同じように、体外に排泄(はいせつ)されます。薬は、一般に肝臓で排泄されやすい形に変化を受けます(これを代謝といいます)。このため、薬物そのものやその代謝物が肝臓に対して影響(毒性)が強く、反応の強い人では、肝障害の原因となります。これは服薬する量が多くなるほど出現するもので、ほとんどの薬は、肝障害を起こす可能性があると、考えておいたほうがよいくらいです。また、1種類では起こさなくても数種類の薬を一緒にのむことで肝障害を起こすこともあります。最近では薬だけでなく、健康食品やサプリメントでも肝障害を起こすことがあると報告されています。
 軽い障害では、ほとんど気づかれないで、すんでしまうこともあります。一方、ひどいと倦怠(けんたい)感や発熱、発心(ほっしん)、黄疸(おうだん)を起こし、重大な病気になることもあります。薬による肝障害が疑われる場合、すみやかに服薬を中止すれば改善することが多いですが、気づかずそのまま服薬し続けると重くなることもあります。いっぽう、薬の種類だけではなく、身体のほうの状態によって肝障害が起こってしまう場合(特異体質性)もあります。この場合は、服薬した量などは関係なく起こってきます。
 肝障害の多くは服薬をはじめてから早期(2カ月以内)に起こりますが、数カ月~数年服薬していて起こることもあります。また、アルコールを毎日のんでいるような人や肝臓の病気をもっている人は、薬による肝障害が起きやすいといわれます。薬や健康食品、サプリメントなどの飲み合わせも原因になることがありますので、複数の医療機関から薬をもらっている場合には医師や薬剤師に相談したほうがよいでしょう。いずれにしても、薬と肝障害との関連は知っておくことが肝要です。

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