催奇形性

 薬のなかには、妊娠のある時期に服用すると、胎児に奇形が生じるおそれのあるものがあります。催眠薬サリドマイドが、ヨーロッパで発売されたのが1958年で、それ以来、四肢が異常に小さな“あざらし症”と呼ばれる奇形児が生まれ、年々増加の傾向を示し、国際的な重大問題となりましたが、1962年から発売が停止され、以後ほとんどみられなくなりました。
 これを契機として、薬物による奇形の問題が重視されるようになり、現在では発売許可がずっと慎重になっています。しかし、現在市販されているある種のホルモン剤、抗がん薬、麻酔薬、抗ヒスタミン薬、経口糖尿病薬、キニーネ、ニコチン、アルコールなどでは奇形発生の可能性があげられ、警告が発せられています。
 自分で薬を使うのは、その使いかたと、それが安全であることを確かめてからでなければなりません。いっぽう、ご自身の治療として妊娠中も薬を継続しなければならないこともあります。妊娠中も安全性がある程度担保されている薬もありますから、むやみにすべての薬を中止することはいけません。特に妊産婦あるいはその可能性がある方は医師、薬剤師に相談していただくことが必要です。