こちら診察室
当時者たちの声
▼連載の趣旨
医療・介護現場の取材を続ける中で、アルコール依存症の当事者(本人・家族)たちの話に戦慄(せんりつ)が走った。当事者たちの肉声は、それまでに筆者が抱いていた「アル中感」を一掃するには十分過ぎた。一方で、アルコール依存症に対する無知や誤解が、一般社会は言うに及ばず、医療や介護の専門職の間にすらあることを知った。当事者の声は「真実」の叫びだ。本連載では、そうした声を中心に、アルコール依存症をめぐる真実をさまざまな角度から考えていく。
▼略歴
佐賀由彦(さが・よしひこ)
フリーライター・映像クリエーター
1954年大分県別府市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。主に、医療・介護専門誌や単行本の編集・執筆、研修用映像の脚本・演出・プロデュースを行ってきた。全国の医療・介護の現場(施設・在宅)を回り、インタビューを重ねながら、当事者たちの喜びや苦悩を含めた医療や介護の生々しい現状とあるべき姿を文章や映像でつづり続けている。アルコール依存症当事者へのインタビューも数多い。