結節性硬化症〔けっせつせいこうかしょう〕 家庭の医学

[原因]
 遺伝子の異常により、全身に過誤腫と呼ばれる良性の腫瘍(おでき)ができる病気です。常染色体顕性(優性)遺伝、あるいは突然変異によります。

[症状]
 皮膚には、赤ちゃんのころから葉状白斑(はくはん)と呼ばれる白いあざが、学童期ころから顔に顔面血管線維腫という、にきびのような小さなおできが多数できます。脳には石灰化と皮質結節というかたまりが散在します。それらが多いと、発達の遅れや自閉症の症状、治りづらいてんかん、特にウエスト症候群を起こすことがあります。脳室という脳の中の水(髄液)がたまっている壁に上衣下巨細胞性星細胞腫(じょういかきょさいぼうせいせいさいぼうしゅ)という良性腫瘍ができて、10歳ころから大きくなり水頭症を起こすことがあります。心臓は生まれたときに横紋筋腫(おうもんきんしゅ)という腫瘍ができていることがありますが、自然に小さくなります。腎臓には血管筋脂肪腫ができて、血尿や腎臓のはたらきが低下することもあります。

[治療]
 てんかんに対して抗てんかん薬を使います。結節性硬化症のウエスト症候群に特に有効な薬もあります。腎臓、脳の腫瘍に対して有効な薬も出ています。その薬がてんかんや発達によい作用を示すこともいわれています。塗り薬は、顔のおできに有効です。
 小児慢性特定疾患および難病医療費助成制度対象疾病(指定難病)に指定されています。