片岡葉子 医師 (かたおかようこ)

大阪府立病院機構 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター

大阪府羽曳野市はびきの3-7-1

  • 皮膚科
  • 主任部長

皮膚科 アレルギー科

専門

アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、蕁麻疹、食物アレルギー、薬疹などアレルギー性皮膚疾患

片岡葉子

アトピー性皮膚炎患者が年間3,500人程訪れる、全国でも有数のアレルギー専門施設に15年以上勤務。1990年代のステロイド忌避全盛時代には、不登校やうつ病の合併などアトピー性皮膚炎がQOLに大きな影響を与えることを指摘し、診療と並行して患者の経過を振り返る臨床研究をしながら、最善のアトピー性皮膚炎治療を追求。皮膚の炎症活動性を示す血液検査TARCを治療効果の判定に応用し、早期の症状の改善、寛解維持、その後の外用薬の漸減を指導するなど患者教育にも力を入れている。

診療内容

同センターの皮膚科では、アレルギー疾患の治療、検査、臨床研究などに取り組み、とりわけアトピー性皮膚炎の治療効果の向上に力を入れている。乳児から成人にいたるまで、幅広い層の診療に対応し、蓄積された豊富な診療経験を生かして、各年齢層に特有の問題を考慮しながら診療を行っている。例えば、乳児期の重症のアトピー性皮膚炎は、重症の食物アレルギーの危険因子で、その他のアレルギーを増やす要因でもある。このため、特に早期に適切なコントロールを行うことが必要となり、同科では食物アレルギーにも配慮しながら、アトピー性皮膚炎の治療や指導が行われる。
他の施設では症状の改善が難しい、重症の患者の診療にあたっていることも同科の大きな特色だ。入院が必要となった場合には、小中学生については院内にある府立羽曳野支援学校と提携し、入院中の学校教育を保障している。病気が原因で不登校など、学校不適応が起こった場合にも、府立羽曳野支援学校と協力しながら、子どもの全人的な成長をサポートする。こうした全人的、心身医学的なケアは、子どものみならず全年齢層に適応されるというから心強い。
集中的なケアや入院が必要な重症患者を優先的に診療するという役割を持った医療機関なので、症状が軽い患者には地域の医療機関での受診が勧められる。同科で治療を受けて症状が改善した後に、地域の医療機関に治療が引き継がれることもある。こうした地域連携を活かすことで、より多くの患者のQOLの向上を目指しているのだ。ただし、たとえ軽症であってもリスク要因の多い患者や、社会生活を営む上で支障をきたしている患者については、かかりつけ医を通じて相談すれば対応してもらえる。
アトピー性皮膚炎患者様の中には、適切な治療を受けられずに、QOLを損なっている人がまだまだ多い。非科学的な情報に振り回されたり、誤った思い込みに縛られたりするケースも少なくない。同科では病気を取り巻くこうした状況を解決するために「EBM(evidence based medicine; 根拠に基づく医療)」を推進している。過去から現在に至る患者の治療成績をていねいに振り返り、よりよい治療方法を検討することで、科学的な根拠に基づく診療を実施するとともに、広く社会に向けて正しい情報を発信する。こうした姿勢をよく表しているのが充実した患者教育だ。「病気の克服はまず、病気を正しく知ることから」という考えのもと、各年齢層に対して、ひとりひとりが"かしこい患者"になることを目指す教育プログラムが用意され、良好なセルフコントロールができるようにし、治療効果の改善、患者QOL(日常生活全般)の向上に役立っている。
乳幼児アトピー教室では、いろいろな情報が混乱して、適切な治療を受けていない人が多い乳幼児期のアトピー性皮膚炎について、正しい知識が提供される。全4回、各回1時間で、受講者は4回すべてに参加する必要がある。
また、アトピーサマースクールでは、学校の夏休みを利用した2週間の入院を伴うプログラムを行っている。患者とその保護者がアトピー性皮膚炎を正しく理解し、症状の早期改善とその後の良好なコントロールを目指す。入院中は羽曳野支援学校と連携して、夏休みの学習などをサポートする。
アトピーカレッジと言って、成人(高校生以上)重症患者を対象とした2週間の教育入院プログラムもある。2週間の集中治療で早期に皮膚炎を改善させるとともに、医師、薬剤師、看護師、栄養士、臨床心理士が、アトピー性皮膚炎をうまくコントロールするために必要な知識、方法などについて講義、指導し、退院後も長期間にわたってよい状態が持続するよう支援している。

医師プロフィール

1983年3月 広島大学医学部 卒業
1983年4月 広島大学医学部付属病院皮膚科研修医
1985年4月 大阪大学医学部付属病院皮膚科研究生
1985年7月 大阪船員保険病院皮膚科勤務
1996年4月 大阪府立羽曳野病院皮膚科医長
1999年4月 同皮膚科部長
2003年10月 同病院改称 大阪府立呼吸器アレルギー医療センター皮膚科部長
2006年4月 皮膚科主任部長
2011年10月 同 アトピーアレルギーセンター長

「アトピー性皮膚炎」を専門とする医師