川島眞 医師 (かわしままこと)

東京女子医科大学病院

東京都新宿区河田町8-1

  • 皮膚科
  • 主任教授

皮膚科 アレルギー科

専門

皮膚ウイルス感染症、アトピー性皮膚炎、美容

川島眞

アトピー性皮膚炎の患者に共通する皮膚の乾燥とバリア機能の低下は、角層間を埋めている脂質、とりわけセラミドの減少によることを解明。ステロイドなどの外用薬により炎症を鎮静化させるとともに、その後の保湿薬によるスキンケアの重要性を提唱してきた。また、重症の成人患者では、人間関係や仕事上のストレスが悪化因子となって掻破行動(引っ掻く動作)が繰り返されることを指摘。心のケアが治療に必要なケースが多いことを訴えるなど、先駆的な治療を提唱・実践している。

診療内容

同院には毎日4,000人以上の患者が来院し、日本で最も外来患者数の多い病院として知られている。同院の皮膚科にもこのうち150人以上の患者が訪れる。 皮膚科が扱う領域は炎症、良性・悪性腫瘍、先天性の奇形(あざ)、感染症、さらに美容的な問題まで実に幅広く、疾患の種類は500を優に超える。中でも皮膚科が診療に力を入れているのは、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、膠原病、ざ瘡(ニキビ)、蕁麻疹などで、それぞれ専門外来を設けて診療に当たっている。アトピー性皮膚炎の治療においては、皮膚の炎症をコントロールすることを大切にしている。上手にコントロールすることにより、健康な人と同じように快適に日常生活を送ることが可能になるだけでなく、長期的に見れば患者自身の治癒力を高めることによって、徐々に軽快することも期待できるからだ。主な治療法は、ステロイド外用薬を中心とした皮膚の炎症のコントロール、抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬によるかゆみのコントロール、さらに患者特有の肌の乾燥、バリア機能の低下を改善するために、スキンケアを中心とした生活上のケアが組み合わされる。アトピー性皮膚炎患者の皮膚では、角質細胞どうしのすき間を埋めて、うるおいを逃がさないようにしているセラミドという脂質が少なくなっていて、肌が乾燥しやすいばかりか、外敵が侵入しやすい状態になっているのだ。また、掻破行動や症状の悪化を予防するためにはストレスケアも治療の大切な要素で、全人的な対応が求められる。 一方、皮膚科学教室では、診療場面から浮かび上がってきた種々の疑問を解決することをモットーに、臨床に即した研究テーマに取り組んでいる。これまで、前述のアトピー性皮膚炎の皮膚バリア機能低下に関わる研究のほか、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚疾患の患者のQOL調査、エビデンスに基づくさまざまな薬剤の薬効評価などを実践している。 皮膚疾患は病変が目で確認できるために、患者は想像以上に大きな精神的負担を抱えてしまいがちだ。このため診療に対する要求水準も高く、川島医師を講座主任とする教室のスタッフは、一人ひとりの患者のさまざまな要求や思いに応えるべく、常に新しい知識の取得と技術の向上に向けて努力を続けている。高い診断能力をもち、患者の立場に立った最良・最善の診療と治療を提供することこそ、彼らの目指すところだ。

医師プロフィール

1978年3月 東京大学医学部医学科 卒業
1984年4月 フランス、パスツール研究所留学
1986年8月 東京大学皮膚科講師
1987年4月 東京女子医科大学皮膚科講師
1988年4月 東京女子医科大学皮膚科助教授
1992年4月 東京女子医科大学皮膚科教授

「アトピー性皮膚炎」を専門とする医師