吉井文均 医師 (よしいふみひと)

神奈川県済生会 平塚医療福祉センター

神奈川県平塚市立野町37-1

  • センター長

内科 神経内科

専門

神経内科全般、神経難病、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、認知症の診断と治療

吉井文均

日本パーキンソン病・運動障害疾患学会前プレジデント。パーキンソン病をはじめとし、脳卒中から認知症まで、高齢化社会で増え続ける疾患に対して、オールマイティーに取り組んでいる。とくにパーキンソン病や脊髄小脳変性症などの神経変性疾患とギラン・バレー症候群などの脱髄性末梢神経疾患の病態生理に関する研究を行い、パーキンソン病治療ガイドラインの作成にも携わる。1985年、米国マイアミのマウント・サイナイ病院に留学時、PETを用いた脳代謝の仕事に関わった経験を生かして、主にパーキンソン病患者を対象とした画像診断も行っている。また、認知症に対しても造詣が深く、現在、神奈川県認知症対策連携協議会の会長も務めている。

診療内容

パ-キンソン病は中脳黒質の神経細胞が変性・脱落し、神経伝達物質の一つであるドーパミンが減少して起こる病気。その結果、手や足がこわばったり(固縮)、動作が緩慢になったり(無動)、また振るえたり(振戦)する。患者自身が老化現象と考えていたり、同様の症状が出る病気と区別がつきにくいため、見逃がされたり、他の病気と診断されて、誤った治療を続けることもある。神経内科の専門医にかかり、早く正しい診断を受け、それに基づく適切な治療を受けることが大切だという。 
パ-キンソン病の治療は、薬による内科的治療が主体となっている。パーキンソン病に有効な薬は十数種類もあり、どの薬を選ぶのか、どれくらいの量の薬を服用するのかについては、それぞれの患者の症状、年齢などを考慮しつつ判断する。新薬も次々に登場してきており、病状に合わせた適切な治療を受けるためには、定期的に専門医の診察を受けることが必要。
また、最近はドーパミンが欠乏すること以外に、ほかの神経伝達物質であるノルエピネフリンやセロトニンのような物質も足りなくなってくるということが分かってきている。そのため、便秘や立ちくらみ、発汗障害などの自律神経障害を訴える人や、精神障害でうつ状態になりやすい人、病気が進んでくると認知症を伴う人、その他にも、睡眠障害、疲れやすいなどいわゆる非運動症状を呈する人も少なくないという。

「我々は運動症状を治療しながら、あわせて患者さんそれぞれがかかえている非運動症状が何かということを診察でうまく拾い出して、それに対する治療もしていくということになります」(吉井医師)
最近は画像診断の技術が進歩してきているので、近い将来には運動症状が出てくる前の非運動症状のステージであっても、早期診断ができるようになるという。

「患者さんの状態に応じて薬を選択して治療する手順はパーキンソン病ガイドラインの中で記されていて、多くの先生方がそれに基づいて治療していると思います。しかし、同じパーキンソン病であっても、Aさん、Bさん、Cさんが全く同じ症状というわけではないので、患者さんの症状を良くみて、どういう薬で治療すればよいかということについては、それぞれの先生方が経験にもとづいて行っています」(吉井医師)

また、薬物療法の他にも、早期からストレッチ体操などのリハビリテーションを取り入れているほか、「脳深部刺激療法」という脳外科的手術療法も行われる。同院では、パーキンソン病の症状に熟知した医師が、さまざまな治療法を組み合わせて治療を行っている。

医師プロフィール

1975年3月 慶応義塾大学医学部卒業
1975年6月 慶応義塾大学付属病院内科研修医
1977年5月 東海大学病院(後期)臨床研修医
1979年4月 東海大学医学部助手(神経内科学教室),
1985年8月 Mount Sinai Medical Center (Miami, U.S.A.) に留学
1988年4月 東海大学医学部講師(神経内科学教室)
1989年4月 平塚市民病院内科主任医長
1992年5月 帰室, 東海大学医学部神経内科勤務
1997年4月 東海大学医学部助教授(神経内科学教室)
2002年4月 東海大学医学部老人性認知症治療研究センター長を兼務
2003年4月 東海大学医学部教育計画部次長兼務
2005年4月 東海大学医学部教授(内科学系神経内科)
2010年11月 東海大学医学部付属大磯病院 副院長 就任
2011年4月 東海大学医学部付属大磯病院 院長 就任
2015年4月 東海大学医学部付属大磯病院 神経内科 教授
2016年4月 神奈川県済生会 平塚医療福祉センター センター長