齋藤博 医師 (さいとうひろし)

仙台東脳神経外科病院

宮城県仙台市宮城野区岩切1-12-1

  • 神経内科
  • 名誉院長

神経内科 内科

専門

神経内科一般、パーキンソン病などの不随意運動、立ちくらみ、発汗異常などの自律神経機能異常(多汗症)

齋藤博

発汗異常など自律神経機能異常に関する権威。「全身多汗症は実に多くの原因が考えられ、その解明には詳しい検査・分析のほか、多くの事例での検討が必要」という観点から、1,000例を越すヨードでんぷん反応を利用した全身の汗の検査経験をもつ。発汗系の機能解剖学的知識を深め、さらなる自律神経研究の進歩への貢献を目指す。2007年に論文「限局性脊髄障害例における温熱性発汗機能:視床下部脊髄路の脊髄内下行部位に関する研究」で、第4回日本自律神経学会賞(優秀論文賞)臨床部門受賞。

診療内容

「全身多汗症は特発性のもの(遺伝性素因、または原因不明)に加え、肺結核やがんなどの悪性新生物、膠原病などの慢性炎症性疾患、心理的ストレスや悩みなど、多くの原因が考えられます。これらを解明するには、患者さん一人ひとりの症状を詳しく検査・分析し、多くの事例での検討が必要です」と齋藤医師。
診察ではまず、1)日中の運動や食事に際して汗を多くかくかどうか、2)多汗が出現した頃に感冒様症状・下痢・発熱など感染症を示唆する症状があったかどうか、の確認が重要となる。さらに、3)職場におけるストレス・家庭での悩みなどの有無、および頻回に嫌な夢を見るか、家系に「汗かき」の人がいるかなどの確認も必要だそう。こうした問診のほか、発汗検査・心電図・脈波・皮膚血流・皮膚温検査など、痛みを伴わず安全な検査を通じて、症状が神経系の異常によるものかなどについても検査する。
「一般及び神経系の診察に加え、臨床的検査としては白血球数・CRP・赤血球沈降速度など、炎症に関連した項目と甲状腺ホルモン、さらに関節痛や筋肉痛がある患者さんではリウマチ因子などの自己免疫系の検査も必要でしょう。画像検査としては、胸部エックス線写真に加え、視床下部や下垂体の病気を除外するためにも頭部MRIを検査しておくべきでしょう」(齋藤医師)
原因が神経系の異常によるものと判断した場合、薬物療法が治療の中心となる。ストレスや心理的要因が疑われる場合は、精神安定剤・抗うつ剤・または睡眠剤などを試みる。
「自験例では、薬物治療を試みた7名中の4名でブロチゾラムまたはエチゾラムが有効であり、他の2名ではクロニジンが有効と判断されました。これらの薬剤で効果不十分な場合には、ロートエキス、プロパンテリン等の抗ムスカリン作用を有する薬剤を試みる価値がありますが、便秘傾向・口腔や眼の乾燥感・眩しさ・焦点のぼやける感じなどが出現する可能性があります」(齋藤医師)

医師プロフィール

1968年 東北大学医学部 卒業
1972年 東北大学医学研究科修了
1974年~1976年 フランス政府給費留学
1990年 東北大学医学部助教授
1997年 国立療養所西多賀病院院長
2003年 国立病院機構宮城病院院長
2005年 仙台東脳神経外科病院名誉院長