岡本幸市 医師 (おかもとこういち)

老年病研究所附属病院

群馬県前橋市大友町3-26-8

  • 神経内科
  • 所長

神経内科 内科

専門

パーキンソン病、認知症、脳卒中、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、頭痛、眼瞼痙攣・片側顔面痙攣・痙性斜頸

岡本幸市

岡本幸市医師は片側顔面痙攣の概念・病態に詳しく、日本神経治療学会がまとめた「標準的神経治療:片側顔面痙攣」で執筆を担当している。片側顔面痙攣のほか、眼瞼痙攣・痙性斜頸に対するボツリヌス毒素療法の実績も豊富である。厚生労働省による研究事業「神経変性疾患に関する調査研究班」の班員を長く務め、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知症、脳卒中に関する論文も多い。大学病院では認知症疾患医療センター長も併任していた。群馬大学教授を経て、2013年4月より現職。

診療内容

「まぶたや目の周りの筋肉がピクピクする」「顔面の片側だけが痙攣することがある」「自分の意志とは関係なく、首が曲がってしまって自由に動かせない」。こうした症状はそれぞれ「眼瞼痙攣」「片側顔面痙攣」「痙性斜頸」と呼ばれる病気によるもので、生命を脅かすほどの病気ではないものの、患者本人は大変な苦痛に悩まされる。
その一つ、片側顔面痙攣は中高年女性に多く、片側の目の周囲(特に下眼瞼部筋)からはじまり、続いて頬部筋や口輪筋などへも痙攣が起こるようになる。特に疲労やストレスがたまると起こりやすいとされる。
従来は適切な治療法がなかったが、ここ最近は「ボツリヌス毒素療法(ボトックス治療)」という安全で新しい治療法が行われるようになった。この治療法について岡本医師は次のように語る。「これはわずかな量のボツリヌス毒素を、痙攣している筋肉に注射するもので、その効果は劇的です。毒素と聞くと危険で怖いようなイメージを持つ人が多いのですが、ごく少量を十分な吟味のもとに注射します」
ボツリヌス毒素療法を行うにあたっては、一番細い30ゲージの針を使用し、注射に際して患者の痛みを極力抑えるように心がけていると岡本医師は話す。ただし、ボツリヌス毒素療法では麻痺作用が過剰に起こったり、付近の筋にも作用が及んだ場合、稀ではあるが副作用を生じることがある。副作用として、眼瞼痙攣においては兎眼(まぶたが閉じなくなった状態)、片側顔面痙攣では口角周囲の麻痺などがあるが、岡本医師は「こうした副作用を最小限にすること」に特に注意し、工夫しながら治療にあたってきた。また、岡本医師によると「ボツリヌス毒素療法は顕著な効果を示すが、その効果の持続期間は3~4か月」であるという。そのため、反復しての治療が必要となる。
一方、片側顔面痙攣においては手術療法として神経血管減圧術(ジャネッタの手術とも呼ばれる)が適応されることもある。「手術によって治療する方法もあることを十分に説明した上で、患者さん本人の了解が得られた場合には、信頼できる脳神経外科医に紹介しています」(岡本医師)

医師プロフィール

1972年 群馬大学医学部 卒業
1972年 群馬大学医学部附属病院研修医
1973年 群馬大学医学部大学院入学
1977年 群馬大学医学部大学院修了
1977年 群馬大学医学部附属病院医員
1978年 群馬大学医学部助手
1982年 群馬大学医学部附属病院講師
1989年 群馬大学医学部助教授
1996年 群馬大学医学部教授 (附属病院神経内科科長も兼任)
2003年 群馬大学大学院医学系研究科脳神経内科学教授(附属病院神経内科科長も兼任)
2013年4月 公益財団法人老年病研究所所長

「片側顔面痙攣・三叉神経痛」を専門とする医師