窪木拓男 歯科医師 (くぼきたくお)

岡山大学病院

岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1

  • クラウンブリッジ補綴科
  • 科長、教授

矯正歯科 歯科口腔外科 歯科

専門

顎関節症・口腔顔面の痛み、睡眠時無呼吸症候群、歯科補綴治療、口腔インプラント、口腔リハビリテーション

窪木拓男

窪木拓男歯科医師は、卒業後二十数年にわたり、一貫して顎関節症の治療を専門として携わってきた。国内外のメーカーと共同で睡眠時の歯ぎしりを測定する装置や義歯の土台となるインプラント治療で骨を形成する技術を開発するなど、研究者としての実績も高い評価を受けている。専門外来として顎関節症・口腔顔面痛み外来のほか、審美歯科外来、口腔インプラント外来、特殊義歯外来、金属アレルギー外来、スポーツ歯科外来、 顎顔面補綴外来も担当。現在、義歯の土台となる人工歯根の周囲に骨を作る技術を開発中である。

診療内容

顎関節症とは、顎関節や咀嚼筋が痛む、関節の雑音がある、開口しにくい・開口できないといった症状が現れる慢性疾患である。窪木歯科医師は「顎関節症は大変あいまいな病気です」と語る。「マスコミの興味本位の報道もあり、何やら得体の知れない病気だと誤解されることもあります。歯科医師ですら、頭痛のことを顎関節症と診断する人もいるなど、適切でない情報提供で患者さんの恐怖心をあおり、過剰で不適切な治療が行われていることもあります。患者さんの症状を診て、まずは何を一番に解決すべきかを診断する能力が一番大切になってきます」
若い世代、特に18歳くらいが好発年齢とされる顎関節症(中でも、関節円板転位に関連した顎関節痛)は、放っておいても治癒することが多い。一方、高年の患者の場合は変形性顎関節症と呼ばれ、全身の関節の加齢に伴って起こるものもある。顎関節症の症状は様々で、関節の痛みに絞っていえば「徐々に悪くなる病気ではないということがわかってきました」と窪木歯科医師は話す。そのため、急性期を乗り切る治療法として、消炎鎮痛剤の処方、開口訓練、歯ぎしりの強い人の場合にはマウスピースを使うなどの保存療法、理学療法が中心となるという。どうしても改善が見られない人に対しては、関節への注射(灌流療法)で積極的な治療を行うこともある。
顎がポキポキなる雑音や、口が開けづらいといった症状は患者にとって大変な苦痛であるが、顎関節症を未然に防ぐ、あるいは早期に改善する方法はあるのだろうか? 窪木歯科医師は次のように話す。「顎関節症の一般的な原因は、日頃からの“噛みしめる癖”です。これがある人はなかなか良くなりません。睡眠時の歯ぎしりに関連した顎関節症の手助けとして一番いいのは、マウスピースの着用です。ただしマウスピースを入れてみて治る歯ぎしりは少ないのが正直なところです。長年の癖である歯ぎしりは、なかなか一朝一夕には治りにくいですね。また、日中噛みしめる癖は、本人にそれを自覚してもらい、努めて噛みしめないようにすることが重要です。それを日中思い出して頂くために、指にマークをしたり、部屋にタックシールに“噛みしめ禁止”などと書いたリマインダーを随所に貼り付けるのもよいでしょう」
窪木歯科医師は、大学院卒業後二十数年にわたり、顎関節症を専門としてきた。窪木医師の研究グループは、歯ぎしりを計る装置「歯ぎしりセンサー バイトストリップ」の研究開発にも携わった経験がある。これは頬にセンサーを貼って睡眠中の歯ぎしりの回数を計測できる装置で、イスラエルの医療機器メーカーが製品化したものだ。さらに、2012年現在進行中の研究として、義歯の土台となる人工歯根の周囲に骨を作る技術を開発中である。これは特殊なタンパク質を加えて周囲に新しく骨を作る技術で、顎の骨を補強する骨移植が不要となり、治療期間の短縮が期待できるという。「この技術は歯科に限らず、将来的には骨折をはじめとした骨再生治療にも応用できるようになるでしょう。臨床治験を成功させ、患者さんの体に負担の少ない治療を目指しています」

医師プロフィール

1986年3月 岡山大学歯学部 卒業
1990年3月 岡山大学歯学研究科歯科補綴学博士課程修了
2004年4月 岡山大学医歯薬学総合研究科教授