リンパ脈管筋腫症(LAM)〔りんぱみゃくかんきんしゅしょう(ラム)〕
リンパ脈管筋腫症(LAM)は、おもに妊娠可能な年齢の女性に発症するまれな疾患です。頻度は女性100万人あたり約3.4~7.8人と報告されており、国が指定する難病医療費助成制度対象疾病(指定難病)に含まれています。結節性硬化症(指定難病)という常染色体顕性遺伝性疾患の人に発症する場合と、LAM単独で発症する場合(孤発性)、の2種類が知られています。
LAM細胞といわれる腫瘍細胞が増殖することによって起こります。肺でLAM細胞がふえると多数の嚢胞(のうほう)ができて呼吸機能が低下し息切れが生じます。からだの中心を流れるリンパ管に沿ってふえるとリンパ脈管筋腫という後腹膜腔腫瘤(こうふくまくくうしゅりゅう)をつくります。血たんやくり返す気胸、乳糜(にゅうび)胸水や腹水、腎臓に血管筋脂肪腫という良性腫瘍を認める人もいます。
[症状][診断]
労作時の息切れ、気胸で発症する人が多いです。血たん、乳糜胸水や腹水が診断の契機になる人もいます。また症状がなく、健診や人間ドックなどの画像検査の際に肺の嚢胞や後腹膜腔腫瘤を指摘されて受診する人もいます。
診断にもっとも重要なのは、高分解能CTでLAMに特徴的な類円形の多発する肺嚢胞を認めることです。喫煙しない妊娠可能な年齢の女性に、このような画像が認められるとLAMが疑われます。LAM以外に嚢胞ができるような疾患を除外できること、さらに呼吸機能検査や腹部・骨盤内の画像検査で肺外に後腹膜腔腫瘤や腎血管筋脂肪腫といったLAM関連病変があるかどうかを評価して診断できる場合(臨床診断)と、肺組織生検による病理診断が必要になる場合があります。
[治療]
肺に嚢胞がふえてくると徐々に肺機能が低下し、労作時に息切れするようになります。肺機能が低下し続けている場合にはシロリムスという分子標的薬の投与をおこないます。LAMを治すことはできませんが、LAMによる肺機能の低下を抑制することができます。シロリムスの投与は、LAMに伴う胸水や腹水、腎血管筋脂肪腫、腹腔内のLAM病変にも効果が認められます。
LAMでは気胸を合併する頻度が高く、再発も多いです。気胸をくり返す場合には再発防止として肺全体の表面を酸化セルロースメッシュで補強する全肺胸膜カバリング術という手術が考慮されます。
LAM細胞といわれる腫瘍細胞が増殖することによって起こります。肺でLAM細胞がふえると多数の嚢胞(のうほう)ができて呼吸機能が低下し息切れが生じます。からだの中心を流れるリンパ管に沿ってふえるとリンパ脈管筋腫という後腹膜腔腫瘤(こうふくまくくうしゅりゅう)をつくります。血たんやくり返す気胸、乳糜(にゅうび)胸水や腹水、腎臓に血管筋脂肪腫という良性腫瘍を認める人もいます。
[症状][診断]
労作時の息切れ、気胸で発症する人が多いです。血たん、乳糜胸水や腹水が診断の契機になる人もいます。また症状がなく、健診や人間ドックなどの画像検査の際に肺の嚢胞や後腹膜腔腫瘤を指摘されて受診する人もいます。
診断にもっとも重要なのは、高分解能CTでLAMに特徴的な類円形の多発する肺嚢胞を認めることです。喫煙しない妊娠可能な年齢の女性に、このような画像が認められるとLAMが疑われます。LAM以外に嚢胞ができるような疾患を除外できること、さらに呼吸機能検査や腹部・骨盤内の画像検査で肺外に後腹膜腔腫瘤や腎血管筋脂肪腫といったLAM関連病変があるかどうかを評価して診断できる場合(臨床診断)と、肺組織生検による病理診断が必要になる場合があります。
[治療]
肺に嚢胞がふえてくると徐々に肺機能が低下し、労作時に息切れするようになります。肺機能が低下し続けている場合にはシロリムスという分子標的薬の投与をおこないます。LAMを治すことはできませんが、LAMによる肺機能の低下を抑制することができます。シロリムスの投与は、LAMに伴う胸水や腹水、腎血管筋脂肪腫、腹腔内のLAM病変にも効果が認められます。
LAMでは気胸を合併する頻度が高く、再発も多いです。気胸をくり返す場合には再発防止として肺全体の表面を酸化セルロースメッシュで補強する全肺胸膜カバリング術という手術が考慮されます。
(執筆・監修:順天堂大学大学院医学研究科 助教〔呼吸器内科学〕 大倉 真喜子)