くちびるの異常 家庭の医学

 くちびるの両隅が割れるのは、かぜや、胃腸のわるいとき、ビタミンB2欠乏などでみられます。くちびるがあれる原因には、かぜのときのヘルペスや、急性胃炎、性病などが考えられます。貧血の人はくちびるの色が薄く、先天性の心臓病や弁膜症、ヘビースモーカーでは紫がかるチアノーゼがみられます。下くちびるがけいれんを起こす場合は、脳・神経疾患の初期症状にも気をつけなければなりません。

■くちびるの異常
症状病名そのほかの症状など
くちびるが割れる胃腸の病気食欲不振
くちびるのあれ・ただれ口唇ヘルペス口唇周囲の小さな水ぶくれ
急性胃炎上腹部痛、胸やけ、吐き気、吐血
硬性下疳(梅毒)米粒大のいぼ、表面がただれ水が出る
くちびるの色が薄い貧血疲れやすい、めまい、蒼白(顔いろ)、食欲がない、息切れ、脈が速い
くちびるが紫色(チアノーゼ)先天性心疾患むくみ、息切れ、脈が速い
心臓弁膜症呼吸困難、息切れ、むくみ、脈が速い
けいれん神経の病気顔面や四肢のけいれん
脳の病気顔面や四肢のけいれん


(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹