のどの異常 家庭の医学

 のどの痛みのもっとも多い原因はかぜです。咽頭・喉頭炎では熱も高く、のどがかわいてヒリヒリ痛み、頭痛を伴います。扁桃(へんとう)炎では、痛みが耳にひびき、つばを飲み込むのも痛く、口をあけにくくなります。ジフテリアでは、扁桃に白い斑点か膜がつきます。
 乾燥したところにいると、特に汗をかかなくても、知らず知らずに水分を失い、のどがかわきます。また、非常に緊張したり興奮したりしたときも、一時的にのどがかわきますし、鼻がつまって口だけあけて呼吸したときや、塩辛いものを食べたとき、酒を飲みすぎたときも同様です。これらは健康な人にも起こる生理的な現象で、心配ありません。
 しかし、特に運動もしないのに1日に何リットルも水を飲んだり、毎晩のように夜中に水を飲みに起きたりする場合には、原因を調べる必要があります。尿崩症や糖尿病、慢性腎臓病(CKD)でものどがかわきますし、顔や手足にむくみがある場合は甲状腺機能が低下している可能性もあります。心臓病などで利尿薬をたくさんのんでいるために、のどがかわくこともあります。

■のどの異常
症状病名そのほかの症状など
のどの痛み感冒(かぜ症候群)発熱、頭痛、だるい、くしゃみ、鼻汁、せき・たん、吐き気、腹痛
急性咽頭炎発熱、せき、血たん
急性喉頭炎発熱、声がれ、せき、たん
急性扁桃炎嚥下困難、発熱
扁桃周囲膿瘍口があけにくく、飲み込めない
咽頭ジフテリア扁桃の白い斑点、
のどのかわき尿崩症多尿、口渇、皮膚の乾燥
糖尿病尿の回数や量が多い、尿の甘いにおい、夜間尿、全身倦怠感、やせ
慢性腎臓病むくみ、倦怠感、尿が少ない、食欲がない


(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹