皮膚の色の異常 家庭の医学

 紅斑(こうはん)症や、血管腫(赤あざ)、酒?(しゅさ:赤鼻)では、皮膚に赤い斑点や血管の拡張があらわれます。血管腫は生まれたときからみられ、酒?は酒飲みに多く、鼻の先やほおやあごに生じる血管の拡張です。
 皮膚が黒色になるものとしてアジソン病や母斑細胞性母斑(ほくろ)、紫色の斑点のできる紫斑(しはん)病、白い斑点を生じる尋常性白斑(しろなまず)、黄色くなる黄疸(おうだん)の原因として胆石症や肝炎などがあります。そのほかに、色素沈着をきたす肝斑(かんぱん:しみ)、雀卵斑(じゃくらんはん:そばかす)があります。

■皮膚の色の異常
症状病名そのほかの症状など
赤い斑点紅斑症圧迫すると消える
血管腫ゆっくり増大
酒?顔のほてり
黒色アジソン病食欲不振、低血糖、低血圧
母斑細胞性母斑(ほくろ)
紫色の斑点紫斑病歯ぐきの出血、鼻出血、発作性の腹痛、皮下出血
白い斑点尋常性白斑(しろなまず)境界の明瞭な白斑
黄色(黄疸)胆石症右上腹部痛、吐き気・嘔吐、発作的な激痛(疝痛)
急性肝炎食欲不振、吐き気、全身倦怠感
肝硬変腹水、出血傾向、息切れ、吐血、食欲不振
色素沈着肝斑(しみ)ほお・ひたいの暗褐色の色素斑、中年女性
雀卵斑(そばかす)目のまわりやほおに多数の斑点、若年者からできる


(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹