肩こり、肩の痛み

 くびの骨である頸椎(けいつい)は可動範囲が広く、重い頭を支えているため、特に高齢者で骨密度が低い骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の人は変形性頸椎症を起こしやすく、肩こりや後頭部痛の原因となり、重症では手のしびれも伴います。頸椎に関係して肩やうでに痛みを起こすものを頸肩腕(けいけんわん)症候群と総称しています。たとえば、データの打ち込み専門などの特殊な職業で、くびから肩、上腕の特定の筋肉だけを反復して使うと、筋が疲労し、肩から上腕の痛みを生じます。また、頸椎の後面に沿って縦走する靭帯(じんたい)が骨化してくびから肩にかけて痛む後縦靱帯骨化症があります。むち打ち症など、頸椎の外傷後には肩や肩甲骨の内側に、こりや痛みが生じ、頸椎を動かすことで症状が強くなります。
 肩関節周囲炎(五十肩)は、軽症では肩こりとして自覚されます。ひじを直角に曲げて上腕を外側に回す(外旋する)と、可動域に制限(動かせない範囲)があります。肩関節を外旋させる筋肉は、まとまって関節包についており、50歳をすぎれば変性して、外傷がなくても自然に断裂することがあります。この場合は、上腕を横から上げていくと、45~90°で痛みが強くなります。五十肩によく合併してみられる症状で、この部位に炎症症状を伴って石灰化が起こることもあります。
 頸髄を経て頸椎から肩、背中、上肢へ向かう神経が出ていますが、この間で圧迫を受けて肩こりや上肢のだるさなどを起こすのが、胸郭出口症候群です。手へつながる血管も圧迫されるため、血行障害の症状も伴います。なかには、両手を頭の下に組んで枕のようにして寝る習慣によるものもあります。第七頸椎に先天的に肋骨(ろっこつ)の生えている頸肋(けいろく)がある場合には、さらに症状が出やすくなります。また、肺尖(はいせん)部のがんが進行して頸腕神経を圧迫して肩の痛みを起こすこともあります。

■肩こり、肩の痛み
症状病名そのほかの症状など
肩こり、肩の痛み変形性頸椎症後頭部痛、手の痺れ、筋力低下
頸肩腕症候群くびの痛み、手のしびれ
後縦靱帯骨化症手の知覚障害、歩行障害
むち打ち症打撲
肩関節周囲炎(五十肩)肩関節の回旋で痛みが増強
胸郭出口症候群手のしびれ、冷感
肺がんせき、血たん、喀血、胸痛、やせ
神経筋疾患手の筋力低下、筋萎縮、舌のしびれ
更年期障害のぼせ、めまい、耳鳴り
高血圧症不眠、鼻出血、めまい、耳鳴り、頭痛



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