石郷岡純 医師 (いしごうおかじゅん)

東京女子医科大学病院

東京都新宿区河田町8-1

  • 神経精神科
  • 主任教授

精神科 神経科

専門

うつ病、双極性障害、統合失調症

石郷岡純

精神医療のエキスパートとして2004年より東京女子医科大学病院の神経精神科主任教授として活躍。毎日200名以上の患者が受診する神経精神科のトップとしてチームをけん引している。ただ単に病気を治すということだけにとどまらず、QOL(生活の質)にまで配慮した治療を心がけており、治療を受ける患者の評価も高い。同院では精神医療の対象を拡大してきた方向性をさらに推し進め、精神障害のみならず、身体疾患を持つ患者の抱える悩み、女性の抱える諸問題への支援なども幅広くおこなっている。

診療内容

「うつ病は患者数が増えたことでたいへん知られた病気になりましたが、わかりにくく誤解を受けやすい病気でもあります」
15人にひとりがかかると言われて久しいうつ病だが、長年精神科医としてうつ病患者と向き合ってきた石郷岡医師は、うつ病をとりまく現状について情報が一人歩きしている部分がある、と語る。
「たとえば、うつ病は心の風邪、などという呼び方が普及したせいで、短期間でよくなると思う人が多いのですが、実はきっちりと時間をかけて治療をおこない、症状がすっかり消えてからもある程度治療を続けないと、ぶり返してしまうことがある病気なのです。風邪のようによくなりはじめたら一直線によくなるわけではありません」
石郷岡医師によれば、治療をはじめてから寛解(かんかい=症状がなくなること)までに、順調にいったとしても数ヶ月はかかるという。さらにその後も最低半年は治療を続ける必要があるため、きちんと治るまでには1年以上の時間をみなければならない。焦りは禁物な病気なのである。また、うつ病の治療において大事なポイントが初診時にあるという。
「自分の気持ちや状態というのは伝えにくいと思いますが、初診の際にはなるべく詳しく伝えていただくと助かります。たとえば、もともとの自分と今はなにが違うのか、なにが今までと違っていて、なにが同じなのか、その差を明確にすることが大切です。しかし、自分で客観的に伝えるのはむずかしいものです。とくに、病気にかかっている状態ですから、なおさらです。そこで、家族と同伴で受診していただくという方法があります。家族であれば、ずっと本人の暮らしぶりを見てきたわけですから、より本来の状態や家での病状を伝えることができます」(石郷岡医師)
現在の状態だけではなく、本来の状態との違いを医師に伝えることが大切なのだという。初診時に伝えておきたいのは、気持ちの落ち込み(時期・程度・生活への影響)、体の状態(睡眠・食欲・排せつ)、生活スタイル(職業・勤務状況・家族)、治療中の病気があるかどうか、など。
最後に石郷岡医師は、うつ病じゃないかとか、体が不調だがどこが悪いかわからないなど悩みながらも、病院を受診することをちゅうちょしている人に向けてこう語った。
「うつ病は15人に1人がかかる病気です。どなたがかかってもおかしくないほど多く身近で、しかも辛い病気です。ですから、悩む前に早めに受診してください。薬を嫌がる人もいるかも知れませんが、現在では副作用の少ない薬も出ており、効果も上げていますので、どうか心配しないでください」

医師プロフィール

1976年3月 北里大学 卒業
1980年3月 北里大学大学院医学研究科修了
1983年4月 北里大学医学部精神科講師
1986年4月 北里大学東病院精神神経疾患治療センター主任兼務(1999年まで)
1999年4月 北里大学東病院臨床治験管理センター長兼務(2000年まで)
2000年4月 常盤病院出向(副院長)
2004年5月 北里大学医学部精神科助教授
2004年6月 東京女子医科大学医学部精神医学講座教授

「うつ病」を専門とする医師