功刀浩 医師 (くぬぎひろし)

国立精神・神経医療研究センター病院

東京都小平市小川東町4-1-1

  • 精神科
  • 部長(同センター神経研究所疾病研究第三部)、精神科併任医師

精神科 内科

専門

うつ病、躁うつ病、統合失調症

功刀浩

功刀浩医師はうつ病、躁うつ病、統合失調症に関する先端的脳科学検査と栄養学的検査に基づいて診断・治療を行う、日本の精神医学研究をリードする研究者のひとりである。研究所では、患者の脳科学的データの解析だけでなく、動物・細胞を用いた基礎的研究を行い、病態メカニズムの解明や新しい診断・治療法の開発に従事している。最近では、日本でほとんど注目されてこなかった精神疾患の栄養学的側面に注目した臨床研究を精力的に進め、マスメディアにも多数取り上げられている。

診療内容

気分障害はいまだ原因がよくわかっていない精神疾患で「躁」と「うつ」の両方を呈する双極性障害と「うつだけを呈する単極性うつ病(治療を要する典型的な症状を示すものを「大うつ病」という)とに分かれる。躁状態の症状は、高揚した気分、やり過ぎ、誇大妄想などであり、うつ状態では、憂うつな気分、悲観的な考え、食欲低下、不眠などのさまざまな症状を呈する。気分障害は本来、時間の経過に伴い自然に回復する病気とされるが、躁状態を放置しておくと、重大な社会的逸脱行動を生じることがあり、また、うつ状態では本人が強い苦痛を感じるうえ、自殺行為に傾きやすいため、早期発見、早期治療が重要になる。
功刀医師は一般外来とうつ病専門外来(気分障害を対象とした外来)を担当する。うつ病外来では、MRI画像、光トポグラフィー(NIRS)などの画像検査(先進医療のため有料)を診断・治療に活用している。薬物療法は、ガイドラインに準じた標準的治療を行い、多剤併用療法などは原則的に行わない方針。睡眠薬なども依存性があることから最小限の使用にとどめる。
うつ病の治療は、これまで1)心身の休息、2)環境調整(ストレスや発症の引き金となった誘因を取り除く)、3)心理療法(認知行動療法など)、4)抗うつ薬などの生物学的治療(重症では通電療法が行われることがある)の4本柱で行われてきたが、功刀医師は「これらに(5)食生活などの生活指導を加えた5本柱で行うべきである」と主張する。
このように、功刀医師はうつ病の新たな治療法として食事に注目し、調査を実施。その結果を踏まえ「食生活の指導は、うつ病を和らげたり、再発を予防したりする効果が期待できる」として、病院の栄養指導室と連携して食事指導を積極的に取り入れている。これまでの調査から、うつ病患者は、肥満・糖尿病・メタボリック症候群が多いこと、ビタミンの一種である葉酸の不足、鉄分の不足、必須アミノ酸の不足などが多いことを見出し、個人に応じた栄養指導や薬物療法(ビタミン剤、鉄剤の投与など)を従来の治療と並行して行っている。なお、サプリメント使用に関するアドバイスはするが、販売は行っていない。また、功刀医師が部長を務める研究所疾病研究第三部では、研究目的で、気分障害、統合失調症、健常者を対象とした先端的脳科学的検査(栄養学的検査、知能、記憶力、気質・性格などの認知機能検査、感覚情報処理機能、脳脊髄液検査など)を実施。これらの検査を行い、病気の解明や新しい診断・治療法開発に役立てている。病院に受診中の患者もこれらの検査を受けることができ、その結果は治療にも生かされる(要問い合わせ)。

医師プロフィール

1986年3月 東京大学医学部 卒業
1986年6月 帝京大学医学部付属病院精神神経科
1991年4月 帝京大学医学部精神神経科学教室助手
1994年6月 ロンドン大学精神医学研究所留学(1年半)
1998年1月 帝京大学医学部精神神経科学教室講師
2002年5月 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部・部長

「うつ病」を専門とする医師