上島国利 医師 (かみじまくにとし)

三恵病院

東京都東村山市青葉町3-29-1

  • 精神科

精神科 内科

専門

精神薬理学、うつ病、不安性障害

上島国利

国内のうつ病治療の権威。日本うつ病学会を設立し、初代理事長を務めたほか、同学会、日本臨床精神神経薬理学会、日本精神科診断学会、日本総合病院精神医学会などから名誉会員の称号を授与されている。上島国利医師は、国際医療福祉大学の教授として授業を行っている。著書も多数。上島医師は「休養をとり抗うつ薬を正しく服用すれば、うつ病は治ります。根気よく、主治医と意思疎通を図りながら治療を続けていくことが大切です」と話している。

診療内容

上島医師は、うつ病の基本的治療方法について「うつ病の基本的な治療法は、休養と十分な睡眠と適切な薬の服用です。治療経過に応じて、認知行動療法などの心理・精神療法を行うことにより、回復が見込まれます」と話す。
休養について:うつ病は、脳が疲れ、エネルギーが顕著に低下した状態であるため、まずは休養をとることが大切になる。病院では積極的に休養または休職を勧めるが、どうしても仕事を休めない場合には、仕事量や就業時間を減らして負担を軽くするようにする。また、主婦の場合には、家事分担を他の家族に依頼し、心身の負担を減らすことが大切になってくる。
睡眠について:休養と同じく、睡眠も重要である。うつ病患者のほとんどに見られるのが不眠。特に、早朝覚醒が多いといわれている。不眠の解消には、睡眠薬を有効活用して睡眠を確保した方がよい場合もある。「睡眠を十分にとることが何よりも大切です。睡眠薬の服用を躊躇する人もいますが、最近では依存性の少ない薬もあります。また、不眠は、抗うつ薬の治療効果が現れると次第に改善されることも多いのです」(上島医師)
抗うつ薬の使用:抗うつ薬には、近年登場したSSRI、SNRIという種類の薬があるが、副作用が少ないため、使用頻度が高い。基本的には1種類の抗うつ薬で治療することが前提となっているが、症状に応じて抗不安薬、睡眠薬などの薬が併用されることもある。これらの薬の作用や役割はそれぞれ異なるため「何種類ものうつ病の薬を処方された」と考えないよう、それぞれの薬の役割をよく理解して、患者自身が納得して服用することが大切になる。
上島医師はうつ病の薬物療法について「抗うつ薬だけでは十分な効果が得られない場合、並行して気分安定薬あるいは抗精神病薬などに分類される薬を使用する“強化療法”と呼ばれる治療を行うことがあります」と説明する。また、抗うつ薬で治療を始めると、症状は少しずつ軽くなっていくため、患者が服用中の薬を自分の判断で中止したり、減らしてしまったりすることがあるという。上島医師はこれについて次のように注意を促す。「抗うつ薬の飲み忘れや、自己判断による服薬の中止、急激に量を減らすことによって、不快な耳鳴り、めまい、顔面にしびれや電撃感(ピリピリ感)が現れることがあります。これらの症状は中止後症状と呼ばれ“依存症”とは異なるもの。通常は、抗うつ薬を再度服薬することによって治まりますが、本人には非常に不快な症状なので、飲み忘れや自分の判断による服薬中止は絶対しないようにしましょう」
抗うつ薬を中止するときは、このような中止後症状の出現を回避するため、時間をかけて服用量を減らしていく方法を取る。
認知行動療法:物事を否定的・悲観的に受け止めて、自分でストレスを増幅させる傾向のあるうつ患者だが、その物事に対する考え方や受け止め方を改善することによって、気持ちを楽な方向へ導いたり、偏った考えから起きてしまう行動をコントロールしたりする治療である。認知行動療法は、専門の医師によって理論的に組み立てられたプログラムで実践することが重要となる。
また、上島医師は「うつ病はご家族のサポートが治療に重要な役割を果たす疾患です」と家族の支えの重要性を説く。さらに、患者への接し方がわからない家族や周囲に対し「叱咤激励をしない。通院に付き添って受診に同席する。医師の指示通りに服薬させる、考えることの手助けをする、回復後も再発に注意することが重要」とも助言する。「患者さんがどうすればよくなるのかを考えながら、普段と変わらぬ態度で接して、温かく見守る気持ちが大切です」(上島医師)

医師プロフィール

1965年3月 慶應義塾大学医学部 卒業
1970年3月 慶應義塾大学医学部大学院医学研究科修了
1976年4月 杏林大学医学部精神神経科講師
1977年12月 杏林大学医学部精神神経科助教授
1989年4月 杏林大学医学部精神神経科教授
1990年7月 昭和大学医学部精神医学教室教授
2006年4月 国際医療福祉大学医療福祉学部教授

「うつ病」を専門とする医師