出血傾向
なにかにぶつかった覚えもないのに、皮膚に内出血ができたり、鼻血がくり返し出たり、歯がわるくないのに歯みがきで出血したり、女性で月経の出血がとまらなかったりすることがあります。このように、出血しやすく血がとまりにくい原因には、大きく分けて、血管に問題がある場合と、血小板(血液の成分)に問題がある場合、肝臓でつくられる凝固因子(血をとめる成分)に問題がある場合があります。
多いのは老人性紫斑(しはん)病で、血管の壁が弱くなり、高齢者の手の甲、前腕(ひじから先)、および下腿(かたい:足)に出血斑(青あざ)がみられます。この場合は心配ありません。鼻出血だけの場合は、通常は鼻の粘膜の細い血管が切れたものが多く、必要ならば耳鼻科で治療を受けます。中年や高齢者では、高血圧の人に鼻出血がみられます。
子どもに起こる、血管に問題のある出血傾向の原因として、ビタミンCの欠乏による壊血(かいけつ)病があります。特に人工栄養では注意が必要です。アレルギー性の病気でも、出血斑がみられることがあります。
血液の凝固が不十分で出血しやすくなる病気には、血小板減少性紫斑病や、先天的に血が固まりにくい血友病があります。また、薬物中毒、肝臓の病気、白血病などの血液の病気、放射線障害などでも起こります。
出血傾向の原因には重大な病気が多いので、早めに診察を受けましょう。また、血縁者に同様の症状の人がいないかを調べておきましょう。女性の不正性器出血については、「各部位の症状??女性性器の異常」をご覧ください。
(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹)
多いのは老人性紫斑(しはん)病で、血管の壁が弱くなり、高齢者の手の甲、前腕(ひじから先)、および下腿(かたい:足)に出血斑(青あざ)がみられます。この場合は心配ありません。鼻出血だけの場合は、通常は鼻の粘膜の細い血管が切れたものが多く、必要ならば耳鼻科で治療を受けます。中年や高齢者では、高血圧の人に鼻出血がみられます。
子どもに起こる、血管に問題のある出血傾向の原因として、ビタミンCの欠乏による壊血(かいけつ)病があります。特に人工栄養では注意が必要です。アレルギー性の病気でも、出血斑がみられることがあります。
血液の凝固が不十分で出血しやすくなる病気には、血小板減少性紫斑病や、先天的に血が固まりにくい血友病があります。また、薬物中毒、肝臓の病気、白血病などの血液の病気、放射線障害などでも起こります。
出血傾向の原因には重大な病気が多いので、早めに診察を受けましょう。また、血縁者に同様の症状の人がいないかを調べておきましょう。女性の不正性器出血については、「各部位の症状??女性性器の異常」をご覧ください。
症状 | 病名 | そのほかの症状など |
---|---|---|
血管に原因 | 壊血病 | ビタミンCの欠乏、皮下の点状出血、歯ぐきからの出血 |
血管性(アレルギー性)紫斑病 | 四肢の米粒大の紫斑、上気道感染後 | |
血液に原因 | 血小板減少性紫斑病 | 皮下出血、鼻出血、血便 |
血友病 | 大きな紫斑、歯肉出血、関節内出血、遺伝性 | |
薬物中毒 | 薬の服用、舌のしびれ、皮下出血、鼻出血、不随意運動 | |
肝硬変 | 黄疸、腹水、息切れ、吐血、食欲不振、疲れ | |
白血病 | 歯ぐきからの出血、鼻血、貧血、皮下出血、息切れ | |
敗血症 | 発熱、頭痛、さむけ、動悸 | |
放射線障害 | 皮膚の潰瘍、白血病、白内障 |
(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹)
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