肥満 家庭の医学

 脂肪の蓄積により、BMI(体重〈kg〉を身長〈m〉で2回割った値)が25以上になると日本人では肥満と判定されます。エネルギーのとりすぎ、または運動不足でふとります。腎臓病などでむくむとふとってみえますが、これは肥満ではありません。
 肥満の原因となる病気としては、クッシング症候群などがありますが、多くは原因不明の原発性肥満です。肥満状態が続くと、脂肪細胞が肥大化してさまざまな物質を分泌し、生活習慣病である糖尿病、動脈硬化症、高血圧などが悪化します。特に、上半身の内臓のまわりに脂肪がつく内臓型肥満が、高血圧・糖尿病・高脂血症などとともに、心筋梗塞などの心臓病のリスクとなることが知られています。

■肥満
症状病名そのほかの症状など
肥満クッシング症候群円形顔貌、皮下出血、皮膚の赤い線条、多毛、高血圧
原発性肥満原因不明


(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹