クラミジア肺炎〔くらみじあはいえん〕

 クラミジア・シッタシイではなく、クラミドフィラ(クラミジア)・ニューモニエ(肺炎クラミジア)もしくはクラミジア・トラコマチス(トラコーマクラミジア)による肺炎です。
 肺炎クラミジアは飛沫(ひまつ)感染により人から人へと感染し、3~4週間の潜伏期を経て軽症の異型肺炎を起こします。小児および高齢者で多く、オウム病と異なり、重症化することはありませんが、せきなどの症状は遷延します。また、肺炎よりも上気道炎や気管支炎といった軽度の気道感染症を起こします。家族内や学校内で流行する傾向があり、キャンパス病ともいわれています。
 トラコーマクラミジアは、感染した母体の子宮頸管粘液から経産道感染により新生児・乳児に感染し、無熱性の肺炎を起こします。
 いずれも気道由来検体からの病原体、病原体抗原、病原体遺伝子の検出、血清抗体価の測定により診断します。マクロライド系、テトラサイクリン系、キノロン系薬の抗菌薬が有効です。

(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)
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