細菌性髄膜炎〔さいきんせいずいまくえん〕 家庭の医学

 髄腔内に細菌が侵入して起こる感染症で、頭痛、発熱、意識障害、項部硬直(くびすじがかたくなること)を主症状とします。健康人に髄膜炎を起こす細菌には、肺炎球菌と髄膜炎菌があります。このほか、子ども、高齢者に髄膜炎を起こす細菌としてはインフルエンザ菌が知られています。また脳神経外科手術の術後患者や、脳室内にシャントチューブを留置している患者さんでは、ブドウ球菌による細菌性髄膜炎を起こす場合があります。
 診断は髄液穿刺(せんし)をして髄液の圧力、性状などから総合判断して診断します。髄液の培養検査により原因菌を決定しますが、血液に原因菌がいることもあり、血液も同時に培養します。
 治療にはペニシリン系、セファロスポリン系、カルバペネム系、バンコマイシンなどの抗菌薬を使用しますが、感染部位の髄腔内には抗菌薬が到達しにくいので、高用量を投与する必要があります。

【参照】
 感染症:侵襲性肺炎球菌感染症侵襲性髄膜炎菌感染症侵襲性インフルエンザ菌感染症

(執筆・監修:熊本大学大学院生命科学研究部 客員教授/東京医科大学微生物学分野 兼任教授 岩田 敏)
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