武田卓 医師 (たけだたかし)

近畿大学東洋医学研究所附属診療所

大阪府大阪狭山市大野東377-2 近畿大学医学部附属病院3F

  • 近畿大学医学部附属病院 漢方診療科
  • 所長、教授

東洋医学 婦人科 内分泌科・糖尿病

専門

漢方診療、産婦人科、内分泌、女性心身症、婦人科腫瘍、分子生物学、冷え症

武田卓

武田卓医師は、近畿大学東洋医学研究所長赴任を機に産婦人科医としての専門性を生かした女性漢方外来と冷え症外来とを開設。従来からの東洋医学の枠組みにとらわれず、西洋医学の確かな専門性を持ったうえでの漢方治療を実施。併行して研究活動を続けており、分子細胞生物学手法により「子宮筋腫に対する新しい治療薬開発」について生薬中の有効成分を利用した基礎研究を行っている。2009年には「ヒト子宮筋腫モデル動物の作製方法」、2014年には「漢方配合お香」で特許出願。東北大学では再診患者と臨床試験参加患者のみ診察を行う。

診療内容

2012年4月、近畿大学東洋医学研究所長赴任を機に、その専門性を生かして「女性漢方外来」と「冷え症外来」とを開設した武田医師。
「女性には、月経・妊娠・閉経といったホルモンバランスの劇的な変化があり“冷え”等の女性ならではの症状も出現します。現代のストレス社会では、更年期障害や月経前症候群といった不定愁訴が増加しており“心と体はひとつ”と、とらえる漢方治療が有効な場合も多々あるのです。また西洋薬との併用も有効であり、ホルモン補充療法と漢方、がん治療副作用対策といった、漢方・西洋医学それぞれの利点を生かして、女性の皆様の辛い症状の改善を目指します」と、その意義を語る。
「女性漢方外来」「冷え症外来」ともに予約制の自費診療であり、自費診療の特性を生かした保険診療の枠にとらわれない有効な治療・検査が可能であるという。
初診患者においては「気・血・水」に基づいた問診票を記入後に、まずは西洋医学的な診断に基づいて「本当に漢方治療が適切かどうか」を判断。通常の漢方専門外来とは異なり、血液検査・心理検査・画像診断等の西洋医学的検査を併せて施行する場合もあり、器質的疾患のルールアウトを行う。特に、冷えの症例に対しては、器質的な血管病変を検索するために、脈波伝播速度測定を実施している。さらに、体組成計による筋肉量評価を実施し、体組成面からの冷え症状の原因検索を行う。2016年6月からは、最新の超音波画像診断装置を導入し、実際の血流やむくみを評価できるようになった(「むくみ外来」)。次に「舌診」「脈診」「腹診」による漢方的診断を行い、患者がどんな体質で、どんな症状があり、今の心の状態はどうなのかなどを知り「証」という治療の指針を定めてゆく。
診察時間は初診の場合には最低でも30分をかけ、患者の置かれている社会的背景・心理的背景もふくめた全人的な診断を行う。治療は主に、漢方薬の処方。必要に応じて、医師の指示のもとで、鍼灸師による鍼灸治療も併用する。
患者の症状や体質に合わせ、最適な漢方薬を選んで処方する。処方する漢方薬は、患者の希望によりエキス剤(ツムラ等のこな薬)・煎じ薬(自宅で自分で煎じてつくる)の両方が選択できる。エキス剤はどこでも内服できる利便性が、昔ながらの煎じ薬は手間はかかるが効果に優れるといった特徴が、それぞれにある。煎じ薬については、院内調剤の高品質な生薬を使用した漢方薬がその場で処方される。
「西洋薬に比べて比較的副作用が少ないと思われがちな漢方薬ですが、ほかの薬との飲み合わせで、副作用が起こる場合も。必ず医師からの処方を守って服用することが大切です」(武田医師)なお、服用から2~4週間である程度の効果が見られるという。
同研究所ではまた、脳神経科学研究をリードする遠山正彌名誉教授(大阪大学医学部)を客員教授に迎え、宮田信吾准教授を中心とした基礎研究部門もスタートさせた。ここでは、漢方薬の作用メカニズムを最先端の分子生物学的手法によって科学的に解明する試みが行われている。
現在は「抑肝散」という漢方薬を中心に、漢方薬の神経機能に対する効果についての科学的解析を行っており、有効成分の同定、作用機序の解明から新規創薬への展開を目指しているそうだ。
「古代中国からの長い歴史をもつ漢方治療ですが、これからは21世紀の現代医療にマッチした診療・研究、さらにはトランスレーショナルリサーチを展開していきたいと考えております」(武田医師)

医師プロフィール

1987年 大阪大学医学部 卒業、大阪大学医学部産婦人科研修医
1988年 大阪回生病院産婦人科医員
1991年 大阪大学院博士課程
1996年 大阪府率成人病センター婦人科医員
1997年 大阪大学産婦人科助手
1998年 大阪府立母子保健総合医療センター産科診療主任・医長
2001年 大阪大学医学部産婦人科助教
2004年 大阪府立成人病センター婦人科副部長
2007年 大阪大学医学部産婦人科助教・学内講師
2008年 東北大学先進漢方治療医学講座准教授
2012年 近畿大学東洋医学研究所所長、同女性医学部門教授、東北大学産婦人科客員教授

「更年期障害」を専門とする医師